初級翻訳・石ころ路 第10話

田畑 修一郎

「この辺りの場所から思いきって飛び降りたら、いったいどの辺りに落ちるんだろう?」
そんなふうに想像して、頭の中で落ちる場所を見当をつけてみると、見下ろしたあたりはどこも一面、ゴロゴロとした鋭い岩ばかりでした。
手足の折れたお人形さんのように、崖から放り出された瞬間に不格好な体勢になって、やがて下の岩の上へとグシャリと叩きつけられる――そんな恐ろしい光景が、一瞬のうちに頭の中を走り抜けました。

僕はハッと正気になって立ち上がり、崖のふちから少し離れました。
そしてまた恐る恐るふちまで歩いていき、その次にはもう二度と後ろを振り返らないようにして、内輪山のほうへと急いで引き返していきました。
そのあともしばらくの間、自分の指の先がジンジンとしびれているような感覚が、いつまでも残り続けていました。

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