部屋の中には、昔と同じように青いランプの明かりが、静かな青い光を漂わせています。
「黒い鳥は、今夜も飛んでくるのかな?」と、子供たちが言いました。
その問いに、はっきり答えられる人は誰もいませんでした。みんなは、おばあさんの顔をじっと見つめました。
おばあさんはうつむいたまま、遠い昔のことを思い出しているのか、それとも岸辺に打ち寄せる波の音に耳を澄ませているのか、じっと動かずにいました。
「おばあさん、黒い鳥は、今夜も飛んでくるでしょうか?」
「もう、そんなこともないだろうね。あのころは、お父さんが『国へ帰りたい、帰りたい』と毎晩のように強く願っていたから、もしかしたらその思いが鳥となって飛んできていたのかもしれないけれど、もうそんなことはないはずだよ」とおばあさんは答えました。
果たしてその夜は、何も変わったことは起こりませんでした。秋の海は、まるで誰かをなぐさめるようにすすり泣きながら、静かに更けていったのでした。
初級翻訳・青いランプ 第3話
小川 未明
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