2026-08

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ひかりの素足

初級翻訳・ひかりの素足 第4話

一郎はいつの間にか雪の中に座り込んでしまっていました。そして、一段と強く楢夫を抱きしめました。三、うすあかりの国けれども、けれども、そんなことはまるで、まったく夢のようでした。いつの間にか、冷たい針のような雪の粒もなんだかなまぬるくなり、楢...
ひかりの素足

初級翻訳・ひかりの素足 第3話

大丈夫だからさ、なあに、あと一里もないんだから」一郎も息をはずませながら言いました。けれども、実際ふたりとも急がずにいられなかったのです。目の前もくらむほどに急ぎました。あまりにも急ぎすぎたので、それは長くは続きませんでした。雪がいよいよひ...
ひかりの素足

初級翻訳・ひかりの素足 第2話

あいつらいつもなんだかんだって人をだますんだから」楢夫もようやく、泣きじゃくるだけになりました。けむりの中で泣いて目をこすったもんだから、目のまわりが真っ黒になって、ちょっと小さなタヌキのようになっていました。お父さんはなんだか少し泣きそう...
ひかりの素足

初級翻訳・ひかりの素足 第1話

一、山小屋 鳥の声があまりにもやかましいので、一郎は目をさました。 もうすっかり夜があけていたのだ。 小屋のすみから、3本の青い日光の棒がななめにまっすぐ、兄弟の頭の上をこえて、向こうの萱の壁にかかった山刀やはむばきを照らしていた。 土間の...
ばらの花五つ

初級翻訳・ばらの花五つ 第1話

ばらの花五つ片山廣子 むかしの私は、すごく時間のたっぷりある人間だった。 どうしてそんなに時間があったのかなと考えてみると、やらなきゃいけないいろんな仕事をしなかったせいなんじゃないかと思う。 そんななまけものの人間が、ときどき忙しいことが...
ばけものばなし

初級翻訳・ばけものばなし 第6話

わたしは夢の中でありながら、まさにそんな鬼を見たのです。鬼とは、本当にまさにあんな姿をしたものなのだろうと思えるような鬼でした。その夢というのは、こういう内容でした。ちょうどその頃、知人の家庭で少しゴタゴタがあったのですが、夢の中でもそのい...
ばけものばなし

初級翻訳・ばけものばなし 第5話

ぼくが知っているあるお年寄りの仕立て職人のお話ですが、彼は子供のころのぼくの家(銀座通りにあったお店)に入ろうとしたとき、お店の前までやって来たのにどうしても中に入ることができず、一度通り過ぎてから引き返し、それでもやっぱり入れなくて、そん...
ばけものばなし

初級翻訳・ばけものばなし 第4話

一つ目の本当の面白さは、なんだかぬるっとしていて、ちょっと人間離れした奇妙な赤ちゃんのような、何とも言えない気味の悪さの中にあるんだ。そもそも、日本の妖怪が持つ「すごみ」や「恐ろしさ」の正体は、まさにそういうところにある。このことについては...
ばけものばなし

初級翻訳・ばけものばなし 第3話

ヨセフだったか何だったか忘れたが、とにかく二人の老夫婦のような人たちのところへ現れている天使は、その体が透き通っていて、背景の景色や物がすっきりと見えているのだ。 まさに幽霊のようで、足のあたりもぼんやりとしてハッキリしない。 こうした美術...
ばけものばなし

初級翻訳・ばけものばなし 第2話

こういう意味で、遊びを遊びとして楽しめば、神様のたたりや怪しげなことを語ったとしても、必ずしも立派ではない人間(非君子)とされなくてもすむだろうと思っている。妖怪と幽霊の区別 幽霊とは人間が化けたもので、妖怪とは人間以外の怪物のことである。...
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