「今、私を上手に引っ張り出してくれた忠実な友であり、尊敬すべき推薦人である彼女は、今夜のずるい計画については少しも悪くありません。これはすべて私が立てた計画で、私が無理を言って、やっと承知させたのです」
ローリーが手を振りながらそう言うと、そのジョークが面白くてたまらないといった様子で、スノッドグラス氏(ジョー)が言いました。
「なにもかも自分のせいにしなくていいわよ。戸棚に隠れようって言い出したのは、私なんだから!」
「この人の言うことなんて、気にしないでください。計画を立てた悪者は私です。ですが、名誉にかけて誓いますが、二度とこんなことはいたしません。これからは、永久に続くこのクラブのために、大いに力を尽くすつもりです!」
「ヒャー! ヒャー!」と、ジョーはフライパンのふちをカンカンと叩きながら叫びました。
「続けろ! 続けろ!」と、会長(メグ)がうやうやしくお辞儀をしている間に、ウィンクル氏(エイミー)が言いました。
「おお、最後にもう一言だけ。私がいただいたこの名誉に感謝して、お隣同士である両家の友好関係をさらに深めるために、お庭の隅に『郵便局』を作らせていただきました。もともとはツバメの巣箱だったものを改造したのです。手紙や原稿、本、小包など、何でも取り次ぎますので、時間の節約に役立つと思います。お互いの家でそれぞれ鍵を持つことにしますので、ここにその鍵をプレゼントさせてください」
ウェラー氏(ローリー)が鍵をテーブルの上に置いて自分の席に戻ると、大きな拍手と歓声が沸き起こりました。続いて、色々な話し合いが行われ、みんな活発に意見を交わし合うのでした。そして、新しい会員になったローリーのために、最後にあらためて「バンザイ!」と叫んで、この日の集まりはおしまいになりました。
確かに、ローリーが「サム・ウェラー」として仲間入りしたことは、クラブ全体をすごく元気にしてくれました。みんなが書く作文や、毎週の新聞にも、今までとは違った新しい面白さが加わったのです。
庭の隅に作られた「郵便局」は、本当に素晴らしいアイデアでした。
そこを通して、たくさんの不思議で面白いものがやり取りされるようになったのです。
例えば、お芝居の台本、おしゃれなネクタイ、自分で作った詩、美味しそうなお漬物、お花の種、とっても長い手紙、楽譜の本、あま〜いジンジャーブレッド、雨用のゴム靴、パーティーへの招待状、ちょっとしたアドバイスのメモ、そしてなんと、可愛い子犬まで届けられたことがありました!
ローリーのおじいさんであるローレンスさんも、この秘密の郵便局の遊びをとても面白がってくれて、変なプレゼントの小包や、なぞなぞのような手紙、思わず吹き出してしまうような面白い電報などを送ってくれました。
さらに、ローレンス家で働く庭師さんが、マーチ家のお手伝いさんであるハンナさんのことを大好きになってしまい、大真面目なラブレターを郵便局に入れてきたこともありました。
その秘密がみんなにバレてしまったとき、四姉妹がどれほどお腹を抱えて笑い転げたことでしょう!
【第十一章:経験が教えること】
「ついに六月一日よ! 明日からはキングさんのご家族がみんな海辺の別荘へお出かけになるから、私はお仕事がお休みになるの! なんと丸々三ヶ月間の夏休みよ! なんて嬉しいんでしょう!」
ある暖かい日の午後、お仕事から帰ってきたメグは、ジョーを見つけるなり大はしゃぎで叫びました。
そのときジョーは、珍しくくたくたに疲れ果てた様子でソファにゴロンと横になっており、ベスがジョーのホコリだらけになった靴を優しく脱がせてあげているところでした。
エイミーは、みんなのために冷たいレモン水を作って用意していました。
すると、ジョーが口を開きました。
「実はね、マーチおば様も、今日からご旅行に出発されたのよ。
最高だと思わない?
『あなたも一緒についてきなさい』なんて言われたらどうしようって、私、ずっとハラハラドキドキしていたんだから。
だから、おば様を少しでも早くお見送りできるように、おば様の気に入るように、それはもう一生懸命にお手伝いをしたの。
でも、あまりに私が気が利くから『やっぱりこの子を連れて行こう』なんて思われたら大変だと思って、心の中ではずっとヒヤヒヤしていたわ。
おば様が馬車に乗り込んだとき、窓から何か話しかけてこられたけれど、聞こえないふりをして、大急ぎで走って逃げて帰ってきちゃった! 本当に助かったわぁ」
「それは本当に良かったわね。それでメグお姉ちゃん、この長いお休みの間、何をして過ごすつもりなの?」と、エイミーが尋ねました。
「私はね、朝はうんと遅くまで寝坊して、そのあとは何にもしないで過ごすわ。
だって冬の間ずっと、毎朝早くから無理やり起こされて、他人の家でお仕事ばかりしていたんですもの。
だから、これからは思いっきり休んで、遊ぶことに決めたの!」
「ふーん、私はそんなダラダラした過ごし方は大嫌いだな。読みたい本をたくさん集めてあるから、私はあの古いリンゴの木の枝の上に登って、この輝かしい少女時代をより素晴らしいものにするために、お勉強をするつもりよ」と、ジョーが言いました。
「じゃあ、私たちもお勉強はお休みにして、メグお姉ちゃんの真似をして思いっきり遊びましょうよ!」とエイミーが言うと、ベスも嬉しそうに賛成しました。
「ええ、それがいいわ! 私、新しい歌をいくつか覚えたいし、お人形さんたちの夏用のお洋服も作ってあげなくちゃいけないもの」
そのとき、お母様がチクチクと進めていた針仕事の手をふと止めて、娘たちに向かってこう言いました。
「それなら、一週間の間、全くお仕事やお手伝いをしないで、ひたすら遊んで過ごしてごらんなさい。
土曜日の夜になる頃には、何もしないことがどれほど退屈でつまらないことか、きっと身に染みてわかるはずですよ」
「まさか、そんなことありませんわ! きっと毎日がすごく楽しいはずです」と、メグは自信たっぷりに言いました。
「よし! それじゃあみんな、乾杯しよう! 遊びは永遠に! 汗をかいて働くなんて、もうおしまい!」と、ジョーは全員にレモン水が行き渡ったのを見計らって、コップを高く掲げて叫びました。
みんなは楽しそうに、冷たいレモン水を一気に飲み干しました。
こうして、待ちに待った「ダラダラ夏休み」がスタートしました。
次の日の朝、メグはなんと午前十時までベッドの中でぬくぬく。
ジョーはいつもならやるはずの花瓶のお花の取り替えもしないし、ベスはお部屋のお掃除をサボり、エイミーの本はあちこちに散らかったまま。家の中で、ただ一つ「お母様の担当エリア」だけが、いつも通りきれいに片付いているという状態でした。
散らかったお部屋の中では、メグはゆっくり休むことも本を読むこともできず、ただふぁーっとあくびが出るばかり。これまでに稼いだお給料で、夏にどんな素敵なドレスを買おうかということばかり考えていました。
コメント