初級翻訳・若草物語 第47話

オルコット ルイーザ・メイ

第二十二 たのしい野原

それからの数週間は、まるで嵐が吹き去ったあとに日光が差し込んだような毎日でした。
お父さんから「新年になれば帰宅できる」という連絡が届きました。
ベスは書斎のソファまで行って横になれるようになり、子猫と遊んだり、人形の服を縫ったりしました。ジョーは毎日ベスを散歩に連れ出し、メグはおいしい料理に腕をふるいました。エイミーはお姉さんたちに自分の宝物をできるだけプレゼントして、家に戻れたことをお祝いしてもらいました。

クリスマスが近づくにつれ、いろいろな計画が始まりました。
ジョーはこの特別なおめでたいクリスマスを祝うために、とてつもなくバカげたお祭りを提案して、みんなを大笑いさせました。
ローリーも突拍子もない計画を立てて、好きにさせておけば、花火を打ち上げたり凱旋門を作ったりしかねない勢いでした。

ただ者ではないジョーとローリーは、まるで妖精のように夜中に起きて働き、ベスのために庭先にすごいものを作り上げました。
それは「雪の女王」の像でした。ヒイラギの冠をいただき、片手には花や果物を入れたバスケットを下げ、もう片方の手には新しい楽譜を持ち、肩には赤い毛布を巻きつけ、口からはクリスマスの歌を書いた吹き流しを出していました。
ベスは窓際まで運ばれていくと、この雪の女王を見てどんなに笑ったことでしょう。

その歌というのは、こんな内容でした。

「ユングフラウ山から、ベス女王さまへ。
ベス女王さま、おめでとう!
ちっともくよくよなさらずに、
楽しく、平和に、健やかに、
クリスマスをお祝いしましょう。

働きバチさん、果物を食べて、
お花の香りをかぎなさい。
楽譜はピアノを弾くためで、
毛布は足を包むため。
お人形ジョアンナの肖像画は、
天才画家(エイミー)が熱心に、
きれいでそっくりに描き上げた自信作。いいでしょう?
赤いリボンもあげましょう、
猫の奥さんのしっぽの飾り。
アイスクリームはメグの手作り、
桶に盛り上がるモンブラン山。
アルプス娘のこの私と、
作ったローリーとジョー。
雪の胸にひそませた、
あつい愛を受け取ってください!」

雪の女王からの贈り物をローリーが運び、ジョーがそれを贈るために、おかしな演説をしました。
ベスは贈り物の重たいブドウを食べて言いました。
「あたし、幸せでいっぱい。これでお父さんがいてくれたら、もう最高すぎてどうしようもないわ」
「あたしも幸せ!」
ジョーも、ずっと欲しかった『ウンディーネ』と『シントラム』という二冊の本が入っているポケットを叩きながら言いました。
「あたしだってそうよ」
エイミーはお母さんからいただいた、マドンナと子供の版画を眺めながら言いました。
「もちろん、あたしも」
メグは生まれて初めて手にした絹のドレスに触れながら言いました。それはローレンスのおじいさんが、どうしてもと言ってプレゼントしてくれたものでした。
「お母さんも幸せですよ」
お母さんも満足そうに言って、今しがた娘たちが胸に留めてくれたブローチをなでました。

ところが、それから三十分も経たないうちに、まるで小説のような、思いがけないうれしいことが起こりました。
それは、ローリーが興奮して客間をのぞき、
「さあ、マーチ家へまたクリスマスプレゼントが届きましたよ!」
と言って、すぐに姿を消したことから始まりました。
みんなが弾かれたように「何のことかしら?」と考えていると、マフラーを巻いた背の高い人が、もう一人の背の高い人の腕に寄りかかりながら、部屋に現れたのです。「ああっ!」と、みんなは叫んで駆け寄り、あっという間にその人を取り囲んで、抱きつきました。家の中は、一瞬にして喜びの嵐に包まれました。

なんと、そこに立っていたのは、お父さんだったのです!

それからというもの、みんなの笑い声が止まりませんでした。あまりにも嬉しすぎて、みんながそれぞれ、おかしな失敗ばかりしてしまうのが、余計に面白くてたまりません。

ようやく笑い声が落ち着くと、ブルック先生はローリーを促して自分の家へと帰り、お父さんとベスという、病み上がりの二人は静かにソファに腰を下ろしました。

お父さんは、天気がとても良くなったのでお医者さんがお家に帰るのを許してくれたこと、だから、みんなを驚かせようと内緒で帰ってきたこと、そしてブルック先生が本当によくお世話をして連れてきてくれたことなどを話してくれました。

さて、その日のごちそうといったら、マーチ家にとって今までにないほど素晴らしいクリスマスのごちそうでした。ローストした七面鳥や、干しブドウがたっぷり入ったプディングにゼリーなど、お手伝いのハンナさんが持てる力をすべて出し切って作ってくれたのです。

お客さんとして招かれたローレンスのおじいさん、ローリー、そしてブルック先生と一緒に、みんなの健康をお祝いして乾杯しました。おしゃべりをしたり、みんなで歌を歌ったりしながらごちそうを食べて、心から楽しい時間を過ごしました。

食事が終わると、家族は暖炉のまわりに集まりました。

娘たちがこの一年の思い出話をすると、お父さんはじっと耳を傾け、とても嬉しそうに言いました。

「小さな巡礼さんたちの旅としては、今年の後半は、ずいぶんと苦しい道のりだったね。だけど、みんな本当に勇気を持って歩んできた。それぞれが背負っていた重い荷物も、どうやら上手いこと肩から転がり落ちていきそうだね」

「どうしてそれが分かるの? お母さんから何か聞いた?」と、ジョーが尋ねました。

「いや、まだそんなに詳しくは聞いていないよ。だけど、一本のわらが動くのを見ただけでも、風がどちらに吹いているか分かるものさ。お父さんはね、今日だけでもたくさんの発見をしたんだよ。まず、これが一つ目だ」とお父さんは言い、隣に座っているメグの手を取って言いました。「ずいぶんと荒れた手だね。火傷のあともあるし、マメもできている。だけど、昔きれいで白かったときよりも、今の手のほうがずっと美しいよ。この手は、お家を幸せにするために一生懸命働いた、がんばり屋さんの手なんだからね」

お父さんはにっこり笑うと、今度は向かい側に座っているジョーを見つめました。

「髪の毛は短くなったけれど、一年前の、まるで男の子のようだったジョーとはもう違うね。身なりもきちんとして、すっかり素敵な女の子になったよ。今はベスの看病や心配ごとで疲れて顔色が青いけれど、昔よりもずっと優しい、穏やかな顔つきをしている。昔のおてんば娘がいなくなってしまったのは少し寂しいけれど、その代わりに、とても頼もしくて心の優しい娘が現れてくれたんだね」

「次はベスの番ね!」と、エイミーは自分の順番が来るのをワクワクしながら待ちました。

「ベスは病気をしてこんなに小さくなってしまったから、おしゃべりをしているうちに、どこかへ消えてしまいそうだね。でも、前ほど恥ずかしがり屋ではなくなったようだ」とお父さんは言いました。そして、もう少しでこの愛しい娘を失うところだったのだと思い出し、ベスをぎゅっと抱きしめました。「ベス、どうかこれからもずっと元気でいておくいね」

みんなは静かに黙って、それぞれの胸の中で何かを考えていました。

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