初級翻訳・青い顔かけの勇士 第3話

鈴木 三重吉

」
ミスはそう言われて、トゥロットの顔を、険しい目つきでじろりと見つめました。
(私のことを馬鹿にしているのかしら?)
いいえ、どうやらそうではなさそうです。
トゥロットの、清らかに澄んだ二つの瞳には、皮肉なんてこれっぽっちも浮かんでいません。
ミスは思わず体を屈めて、トゥロットの頬にすり寄りました。
トゥロットは別のことを考えていたので、ミスがどうして突然頬ずりなんかをしたのか、あまり気にも留めませんでした。
食事のとき、お母様がお聞きになりました。
「今朝は楽しかったの? トゥロット。」
トゥロットは勢い込んで答えました。
「ねえ、お母様、ミスはとても勇敢なのよ。お母様にも見せたかったわ。そしてね、それからね、あのセル……セルブラスのお話をしてくれたの。ねえ、あの剛……剛勇? 剛勇なサラセン人はスパルタ人なの。そして自分はランプで片手を焼かれたのよ。でも、片手で橋の上に立って、艦隊の命令をしたの。そしてね……それからね、あのね……。」
お母様はそんなお話があまりお好きではないらしく、「へえ、偉いのね。さあ、トゥロット、スープを食べなさい」とおっしゃいました。
ですからトゥロットはスープを食べました。
トゥロットの目の前には、緑色の顔かけをかけ、茶色のサージ服を着た、ミスの勇敢な立像が浮かんでいます。
トゥロットは、その像をまじまじと見つめながら、スープをすすりました。

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