ところが、いざ「命の水」をかけようとしたとき、瓶の中にはもう一滴の水も残っていませんでした。
「あらあら、これではもうどうすることもできませんわ」と王女は言いました。
王さまは、とうとうそのまま、本当の死骸となってしまいました。
こうなると、あとを継ぐ新しい王さまが必要です。王女は言いました。
「それはウイリイさん以外には考えられません。私を鳥の姿から人間に戻して、あんな遠い国から連れ帰り、大きなお城をここまで運ばせ、命の水や死の水まで手に入れてくるようなことが、ほかの誰にできたでしょう。これほど立派な方が王さまになるのは当然のことです」
周囲の人々も、王女が手に持っている瓶の中に「死の水」がまだ残っているのを見て恐れをなし、誰一人として王女に逆らう者はいませんでした。
こうして、ウイリイはついに王さまとなりました。世界で一番美しい王女は、喜んでウイリイの王妃になりました。
結婚式の当日、ウイリイは小さな灰色の馬のところへ行き、「すべてはお前のおかげだ」と感謝の言葉を伝えました。
すると馬は言いました。
「それでは今度は、私のお願いを聞いてください。どうか剣を抜いて私の首を切り、それをしっぽのそばに置いて、三回お祈りをしてほしいのです」
ウイリイは驚いて、「お前を殺すなんて、どうして私にそんなことができるだろうか」と言いました。
「それが私の幸せになるのです。決して悪いようにはしませんから、どうか私の言う通りにしてください」と、馬は繰り返し頼みました。
ウイリイは仕方なく剣を抜き、馬の首を切り落としました。そしてその首をしっぽのそばに置いて三回お祈りをすると、馬の死骸だと思っていたものが、突然、気高い若い王子へと姿を変えました。
それは王女のお兄さまでした。王子は魔法をかけられ、長い間ずっと馬の姿に変えられていたのです。
二人は大喜びで手を取り合い、御殿の中へと入っていきました。王女の喜びも、たとえようがないほどでした。
めでたい結婚のお祝いは、にぎやかに二週間も続きました。ウイリイ王と王妃は、お兄さまの王子と一緒に、三人でいついつまでも幸せに暮らしました。
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