初級翻訳・二十六夜 第4話

二十六夜

すると、ちょうど子供が二人、草刈りに来ていたそうで……穂吉も気づかないうちに、一人がそっと近づいてきて、穂吉の足を掴まえてしまったと申します」
「ああ、哀れなことじゃ。かわいそうな話じゃ。あんなにおとなしくて良い子でも、何の因果というのか。できることなら、わしが代わってやりたいくらいじゃ」
林は再び、静まり返りました。しばらくして、またバタバタと一羽のフクロウが飛んで戻ってきました。
「穂吉さんはね、臼の上を歩いていたよ。あの赤い紐をちぎろうとしていたみたいだけど、なかなか簡単にはいかないみたいだ。私はどこか隙間から中に入って助けてあげようと、何度も何度も家の周りを飛んでみたけれど、どこにも入れるような穴はなさそうだったよ。本当に可哀そうに。でもね、穂吉さんは泣いてなんていないよ」

フクロウのお母さんは、泣きすぎてまぶしそうに目をしょぼしょぼさせながら尋ねました。
「あの家に猫はいないようでしたか?」
「ええ、猫はいなかったようですよ。きっといません。ずいぶん長い間、私はのぞいていたんですけれど、とうとう姿を見かけませんでしたから」
「それなら、まあ安心です。本当にみなさんにご迷惑をおかけして、申し訳ございません。すべては穂吉の不注意のせいでございます」
「いいえ、いいえ、そんなことはありませんよ。あんなに賢いお子さんでも、災難というものは避けられないものですから」
林の中の女のフクロウたちが、口々にそう答えました。その声は、二町ほど西にある大きな藁屋根の家に閉じ込められている穂吉のところまで、ほんのかすかではありましたが、届いていたことでしょう。

フクロウのおじいさんが、何度も声を詰まらせながら、お父さんフクロウに言いました。
「もうそうなってしまった以上、仕方がない。お前は行って、穂吉にそっと教えてやっておくれ。『これ以上は、決してバタバタともがいたり、怒って人に噛み付いたりしてはいけないよ。今日一日たっても殺されないということは、きっと田螺(たにし)か何かで飼っておくつもりなのだろうから、今までのように大人しくして、決して人に逆らってはいけないよ』と。こう言って教えてくるといい」

お父さんフクロウは、首を垂れて黙って聞いていました。
フクロウのお坊さんも、遠くからできるだけ耳を傾けていましたが、だいたいの事情を察したようで、こう言い添えました。
「そうじゃ、そうじゃ。よい考えだ。ついでにこうも教えてやっておくれ。このようなひどい目に遭ったからといって、『なんて悪いことの報いなのだろう』と恨むようなことがあってはならぬ。この世の罪も数知れず、前の世の罪も数えきれないほどあるのだから、この災難もその一つだとよくあきらめて、あまり一人で嘆いてはいけない。あまり泣けば心も沈み、体も壊してしまう。たとえ足に紐があっても、今ここへ来て初めてとまった場所なのだと、いつも気楽でいなければならぬ、と。そう伝えておくれ。……ああ、しかし、そうは言っても、連れて行かれた本人はまた別じゃ。何にも苦労のない者が、あれこれ言っても何の役にも立たん。ああ、可哀そうに。不憫なことよ」

お父さんフクロウは、何度も何度も頭を下げました。
「ありがとうございます。ありがとうございます。もう、必ずそう申し伝えてまいります。そんな温かい言葉を伝えてもらえたら、あの子はもう死んでもよいとさえ思うでしょう」
「いやいや、それだけでなく、こうも言っておくれ。いくら飼われると決まっても、子供の心はもとより頼りないもの。また近くには猫や犬もいるかもしれない。もし万が一のことがあれば、ただあの『疾翔大力(しっしょうだいりき)』さまのお名前を唱えるのだ、と。そう言ってやってくれ。ああ、不憫なことじゃ」
「ありがとうございます。それでは行ってまいります」

フクロウのお母さんが、泣きじゃくりながら言いました。
「ああ、お願いです。命のある間は朝夕二度、私に聞こえるよう高く啼いてほしいと、そう伝えてくださいませ」
「わかったよ。それではみなさん、行ってきます」

お父さんフクロウは二、三度羽ばたきをすると、音もなく滑るように向こうへ飛んで行きました。
フクロウのお坊さんはそれをじっと見送っていましたが、突然、体をピンと伸ばして言いました。
「みなの者、いつまで泣いていても終わることはない。ここの世界は『苦界(くがい)』と呼ばれ、また『忍土(にんど)』とも名付けられている。みな、つらいことばかりで、涙が乾く暇もないのだ。ただ、これからは、我らと生きとし生けるものが、早くこの苦しみから離れる道を知ることが肝心なのじゃ。この縁(えにし)をきっかけに、みなの者もよくよく心を静めて聞きなさい。たった一人でも穂吉のことから、心から悟りを求める心(菩提心)を起こすことができれば、穂吉の功徳も、この場にいるみなの功徳も、計り知れないものとなる。だから、必ずしっかりと耳を傾けなさい。昨夜の続きを講じます。

『その時、疾翔大力さまが爾迦夷(にかい)さまに向かって言われた。しっかりと聴きなさい、しっかりと聴きなさい。よく考えを巡らせなさい。私は今、お前に、フクロウやミミズクのような悪鳥たちが、苦しみから離れ、自由になるための道を教えよう』

爾迦夷さまは、すぐに両方の羽を大きく広げ、敬う心で首を垂れて座を離れ、低く飛び上がって疾翔大力さまを三度まわりながら讃えました。そして、静かに座に戻ると、ひざまずいてこう願いました。
『疾翔大力さま、疾翔大力さま。どうか私たちのためにお教えください。どうか私たちのためにお教えください』と」疾翔大力(しっしょうだいりき)さまは、にっこりと微笑むと、その頭から金色の光の輪がふわっと広がりました。その光は集まった鳥たち全員を包み込み、みんなの心は喜びでいっぱいになりました。
そして、説法が始まりました。

「お前たちは、これまで本当にたくさんの悪い行いをしてきた。
例えば、夜の暗闇にまぎれて、小さな鳥たちの家に忍び込む。
小さな鳥たちは、一日中お日様の光を浴びて、歌ったり飛び回ったりして遊び、へとへとに疲れて、ただただ幸せな眠りについているというのに、お前たちはそこに飛びかかって、ぎゅっとつかみかかる。
するどい爪がその小さな体に深く突き刺さり、小さな鳥たちは苦しさのあまり、声さえ出すことができない。
そして、そのまま引き裂いて、勝手に食べてしまうのだ。
あるいは、沼地に行ってタニシや貝を食べる。
タニシや貝は、柔らかい泥の中にいて、心の中ではただ温かい水を求めて穏やかに暮らしている。
それなのに、突然空へ引きずり上げられ、体を引き裂かれ、あまりの苦しさに悶え苦しんで、最後には声も出なくなる。
お前たちは、そんな生き物を食べているのに、少しも申し訳ないという気持ちを持っていない。
このような悪い行いは、数え上げればきりがないほどだ。
悪いことをするから、またその報いで悪いことをしてしまう。
そうやって次から次へと罪を重ね、終わりがないのだ。
昼間は太陽の光を怖がり、人間や強い鳥におびえ、心は一瞬たりとも安らぐことがない。

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