初級翻訳・二十六夜 第5話

二十六夜

一度フクロウとしての一生を終えても、またフクロウに生まれ変わり、同じように苦しみや災難を何度も何度も、いつまでも繰り返すことになるのだ」

ここまでが、昨夜お話しした「鳥たちは歓喜に満ちた」というところまでの続きです。
この「説いて曰く」というのは、疾翔大力さまが、爾迦夷(にかい)さまのお願いを聞き入れて、すぐにお説教を始められたという意味です。
「汝等(なんじら)審(つまび)らかに諸の悪業を作る」というのは、お前たちは本当によく悪いことをしているね、という意味です。
「汝等」というのは、もともとは私たちフクロウやタカなどのことですが、この後の罪のお話を聞くと、結局は私たちみんなのことだと分かります。
「悪業」とは、悪い行いのことです。「業」というのはカルマとも言って、過去に行った行いが、まだ結果として現れていないエネルギーのようなものです。良い行いもあれば悪い行いもありますが、ここでは悪い行いについて言っています。
その具体的な内容が、次に語られます。
「あるいは夜の暗闇に乗じて、小鳥たちの家に行く」とあります。
みんな、これは他人事ではないですよ。よく自分の胸に手を当てて考えてみてください。
「夜陰」とは夜の暗闇のこと。「以て」というのは、その暗闇を利用して、という意味です。
「小鳥たちの家に行く」と言いますが、遊びに行くのではありません。心の中には残忍な考えを隠し、外見は恐ろしくて悲しい夜叉(やしゃ)のような姿をして、こっそりと忍び込んでいく、という意味です。
この説法が始まった頃、私たちの心にはまだ少しは素直な部分があったので、「小鳥たちの家に行く」と聞いただけで、みんな怖くなって座っていられませんでした。
でも今は、そんなことはありません。
今もし疾翔大力さまが説法をしてくださるなら、もっともっと厳しくお叱りになることでしょう。
みんな、心にしっかりと刻んで聞いてください。
次の言葉は、「時に小鳥たちは、一日中日光を浴びて、歌ったり跳ねたりして疲れ、ただただ甘い眠りの中にある」というものです。
これも、他人事ではありません。
どうでしょう、今朝もこうして穂吉さんの身の上を心配している私たちですが、これがまさに自分たちのことなのです。

説教をしていたお坊さんの声が、急に震えて変わりました。
穂吉さんのお母さんフクロウは、まるで布を引き裂くような声で泣き出し、その場にいた女のフクロウたちも、すぐにつられて泣き出しました。
それから男のフクロウたちも泣き始めました。
林の中はすすり泣く声でいっぱいになり、風も吹いてきて木々がガタガタと揺れましたが、誰も泣きやむことができません。
星は少しずつ動き、赤い火星も西の空に沈んでいきました。
フクロウのお坊さんは、しばらく「ゴホゴホ」とせき込んでいましたが、やっと気持ちを立て直して、講義を続けました。

「みんな、試しに自分がミソサザイになったと想像してみてください。
いいですか。
お天道さまが、東の空から金色の光の矢を放ちます。林の木々は青く輝き、枝が揺れます。あなたは楽しく歌を歌います。仲良しの友達と一緒に、枝から枝へ、木から木へと、お天道さまの光の中を歌いながら飛んでいくのです。お昼ごろには、涼しい葉っぱの陰で少し休んで、また『チチッ』と鳴いて飛び立ち、青い空を目指します。また小さな流れへ行って、心を通わせる友達と、ずっと離れずに歌いながら過ごすのです。そして、お天道さまが隠れると、体は疲れてとろりとしてきます。油のように、溶けるような心地よさです。
いつの間にかまぶたを閉じ、昼間の楽しい景色を夢見ます。体は枝にとまっていますが、心はまだ空を飛び回っているような、甘くて幸せな夢の光の中です。
そのとき、突然ひやりとするのです。
夢なのか現実なのか、驚いて見てみると、わが身は引き裂かれ、血が流れている。
燃えるような二つの目が光って、自分を見つめているのです。
どうでしょう、声を出そうとしても、のどが引きつって音さえ出ない。
これが『するどい爪がその体に深く突き刺さり、小鳥たちは苦しさのあまり、声さえ出すことができない』という意味なのです。
でも、これは捕らえられる鳥から見た世界です。
捕まえる側から見れば、『飛びかかって、ぎゅっとつかむ』ということなのですよ」「何の罪もなくて、ただぐっすりと眠っている子に、いきなり襲いかかって、するどい爪でその柔らかい体をバラバラに引き裂く。小鳥たちは痛すぎて声さえ出せない。それなのに、私たちはそれを笑いながら食べているんだ。

なんて悲しいことだろう。
この私だって、今はこうしてお坊さんをしていて、鳥や魚を襲うことはないけれど、昔のことを思い出すと、いたたまれなくて生きていられない気持ちになる。
ああ、なんて恐ろしい罪の体なんだろう。毎晩毎晩、夢の中では、また昔のように夜叉(やしゃ)のような恐ろしい行いをしてしまう。
自分の運命の恐ろしさに、ただただ呆れ果ててしまうよ」

そのとき、ザアッと風が吹き抜けました。
木々はみんな波のように揺れ、説法をしていたフクロウのお坊さんも、風に揺れる船のようにゆらゆらと動きました。
そして東の山の上から、昨夜よりもずっと細くなった、二十五日のお月さまが昇ってきました。
林の中は、薄い霧でいっぱいになり、西の方からは、あのお父さんフクロウが、しょんぼりと飛んで帰ってきました。

*

旧暦六月二十六日の晩のことです。
空はとても晴れ渡っていて、天の川の水はすっかり透き通り、冷たくて、底の砂粒まで数えられそうでした。じっと目を閉じていると、川が流れる音さえ聞こえてくるような気がしました。
でも、それは空の高いところを吹いていた風の音だったかもしれません。
なぜなら、星たちが、まるでゆらゆら揺れるカゲロウの向こう側にあるみたいに、キラキラと点滅していたからです。

ライオン鼻の上の松林には、今夜もフクロウの群れが集まっていました。
今夜は、傷ついた穂吉(ほきち)も来ていました。
来てはいましたが、一昨日の晩の場所ではなく、おじいさんの止まっている場所よりもずっと高いところに、小さな枝が二本交差して、さらにその上に四、五本の小さな枝が重なって、ちょうど盃(さかずき)のような形になっている場所に、どこから集めてきたのか、藁くずや髪の毛などを敷いて、急ごしらえの巣が作られていました。
その中で穂吉は、半分横になって、じっと目をつぶっていました。
お母さんフクロウと二人の兄弟が穂吉のまわりに座って、体を支えるようにしていました。
林の中のフクロウたちは、今夜は誰一人として泣いてはいませんでしたが、怒りは昨夜とは比べものにならないほどでした。

「穂吉よ、痛みはどうだい。少しは楽になったかな?」
あのお坊さんフクロウが、いつもの高い場所から優しくたずねました。
穂吉は何か言おうとしたようでしたが、ただ目をパチパチさせるばかりだったので、お母さんが代わりに答えました。
「せっかく我慢しているようでございます。うまく言葉が出ないようで……。それでも、どうしても今夜のお説教を聞きたいと申しますので。

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