そんなことは、とてもできっこありません。
おお、いやだ、いやだ。
ミスは遠くから、あざ笑うような様子でこちらを見ています。
トゥロットがどんな結末をつけるのか、ひざの上に本を乗せて、身を乗り出して見ていたのです。
三
そのミスが、突然、針で刺されたかのように飛び上がり、悲鳴を上げて、本を放り出して飛んできました。
トゥロットは、カタツムリを指でぐいと、喉の奥に押し込んだのです。
そして、目をつぶって飲み込んでしまったのです。
「まあ、とんでもない。
……ばかなことを。
……どうしてそんな無茶をするのです。
本当にあきれた。
なんて恐ろしいことをするのです」
ミスはひっくり返るほど驚いて、お部屋へ帰っても、フランス語と英語をめちゃくちゃに混ぜて、唇の上でぶつけ合っていました。
トゥロットは平気な顔で、通り雨が降ってきたのを、けろりとして見ていました。
しかし、本当のことを言うと、お腹の中がどうなるか、それが少し気がかりでした。
なんだか「グウグウ」と変な音がします。
きっとカタツムリが、お腹の中でノソノソ歩いているに違いありません。
そう思うと少し気持ちが悪くなってきました。
でも、まあそれだけのことです。
カタツムリは、どうせ消化されてしまうでしょう。
そこでトゥロットは、雨が上がるとまた庭へ出ました。
そして、前よりもずっと深い愛情を込めてバラを見つめました。
かわいそうなカタツムリをむごたらしく踏みつぶしもせず、それでいてこの美しいバラもすっかり守ってあげたことが、トゥロットにはとてもとても誇らしく思えました。
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