初級翻訳・ごくあくウサギのものがたり 第1話

ごくあくウサギのものがたり

こちらは、ごくあくウサギ。
ほら、下品なおひげに、するどいツメ。おまけに、あんなふうに逆立ったしっぽ。
こちらは、おっとりウサギ。
手には、お母さんからもらったニンジンを持っています。
すると、ごくあくウサギがそのニンジンを欲しがりました。
「ちょうだい」なんて一言も言わずに、ひったくってしまったのです!

それだけじゃありません。おっとりウサギのことを、メチャクチャにひっかいてしまったのです。
おっとりウサギは、命からがら自分の穴へ逃げ込みました。
すっかり元気をなくして、しょんぼりしています。

さて、こちらは鉄砲をかかえた人間です。
目の前の長いすに、何かがちょこんと座っています。
「おや、変わった鳥さんかな?」

人間は、木のうしろからそろりそろりと忍び寄ります。
そして、鉄砲をぶっ放しました――バーン!

すると、どうなったかというと――

ところが、長いすの上には、気づけばこれだけが残されていました。
人間は鉄砲を手に、かけよっていきます。
穴からその様子をうかがっていたおっとりウサギは……。

……そして、目の前を通り過ぎていくのは、涙をポロポロ流しながら走るごくあくウサギの姿。
大事な自慢のしっぽも、ひげも、すっかりなくなってしまいましたとさ!

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