初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第11話

ホーソーン ナサニエル

今でもその巨人の名で知られている山が、ちゃんとあるのだから。

とうとう、勇敢なパーシウスは島へ帰り着きました。そして、なつかしい母親に会えると思っていました。ところが、彼の留守の間に、悪いポリデクティーズ王がダネイに対して大変ひどい仕打ちをしたので、彼女は逃げ出さずにはいられなくなり、あるお寺に隠れていました。そのお寺では、年取った優しいお坊さんたちが、彼女にたいそう親切にしてくれていたのです。この島で正しく生きようと努めていたのは、これらの立派なお坊さんたちと、ダネイと小さなパーシウスが箱に入れられて流されてきたとき、最初に二人を助けてくれたあの漁師くらいのものでした。それ以外の人間は、ポリデクティーズ王をはじめとして、みんな行いが悪く、これから起こるような災難に遭うのも当然の報いといえる連中ばかりでした。

お母さんの姿が見当たらないので、パーシウスはまっすぐに王宮へと向かいました。そしてすぐに王様の前へと引き出されました。ポリデクティーズは、パーシウスの顔を見ても少しも嬉しくありませんでした。というのも彼は、意地悪な心で、あの恐ろしいゴーゴンたちが哀れなパーシウスをずたずたに引き裂き、邪魔にならないようにペロリと飲み込んでくれたものとばかり思い込んでいたからです。

ところが、パーシウスがけろりとして帰ってきたので、王様はそれに対してできるだけ嫌な顔を見せないようにしながら、彼がどのようにして成功したのかを尋ねました。

「お前は約束を果たしたのか?」と王様は訊きました。「蛇の髪をしたメヅサの首を持って帰ったのか? もしそうでなければ、お前はひどい目に遭うことになるぞ。わしは美しいヒポデイミヤ姫との婚礼に、どうしても最高の贈り物がほしいのだ。メヅサの首ほど姫の気に召すものは他にないからな」

「はい、恐れながら」とパーシウスは落ち着き払って、メヅサ退治など彼ほどの若者にとっては大したことではないといった風に答えました。「私はメヅサの首を、蛇の髪も何もついたまま、そっくり持参いたしました!」

「それは本当か! どれどれ、見せなさい」とポリデクティーズ王は言いました。「もし旅人たちの言うことがみんな本当だとしたら、それはまことに珍しい見ものに違いない!」

「仰せの通りにございます」とパーシウスは答えました。「それは本当に、誰でも一度見たら、もうその方に目を吸い付けられてしまうことは、ほぼ間違いのないものでございます。そして、もし陛下さえよろしければ、休日をお触れ出しになり、陛下の人民を全部お呼び集めになって、この素晴らしい珍品をお見せしてはいかがでございましょう。私が思いまするに、ゴーゴンの首を今までに見た者も、またおそらくこの先二度と見る者も、ほとんどいないでしょうから!」

王様は、自分の人民がどうにもならない怠け者の集まりであり、そうした連中の常として、大変な物好きであることをよく知っていました。そこで彼は若者の意見を容れて、四方にお触れ役や使者を送り、街角や市場、また至る所の四辻でラッパを吹かせて、人民を全部宮廷に呼び集めました。

すると、ガラの悪い浮浪者の大群が宮廷を目指して集まってきました。彼らはみんな、ただ他人の不幸を喜ぶ心から、パーシウスがもしゴーゴンたちとの勝負で何かひどい目に遭っていたら面白がろうというような人間ばかりでした。もしその島にもっと良い人たちがいたとしたら――この話にはそんな人たちのことはちっとも出てきませんが、私はそんな人もきっといただろうと本当に思うのですが――彼らは静かに家に残って、自分の仕事に励んだり、子供たちの面倒を見たりしていたはずです。

それはともかく、人民の大部分は一目散に王宮へ駆けつけ、露台(バルコニー)に近づこうと夢中になって、互いに突き飛ばしたり、押したり、かき分けたりし合いました。露台にはパーシウスが現れ、刺繍(ししゅう)の入った袋を手に持っていました。露台がよく見える一段高くなった所には、半円形にずらりと並んだ悪い顧問官たちや、おべっか使いの廷臣たちに囲まれて、偉そうなポリデクティーズ王が座っていました。

王様や顧問官、廷臣や人民は、みんな熱心にパーシウスの方を見つめていました。

「その首を見せろ! その首を見せろ!」と人々は叫びました。

彼らの叫びには、もしこれから見せる物が彼らを満足させるほどのものでなかったら、パーシウスをずたずたに引き裂きかねないような激しさがありました。「蛇の髪をしたメヅサの首を見せろ!」

若いパーシウスは、悲しいような、気の毒なような気持ちになりました。

「おお、ポリデクティーズ王様」と彼は叫びました。「そして大勢の皆さん、私はあなた方にゴーゴンの首をお見せすることは、ひどく気が進まないのです!」

「ああ、この悪党め、卑怯者!」と、人々は前よりも激しくわめき立てました。「あいつは我々を馬鹿にしてやがる! あいつはゴーゴンの首なんぞ持っていないんだ! もし持っているなら、我々にそれを見せろ! でないとお前の首をもらって、フットボールにしてやるぞ!」

いけない顧問官たちは、王様に耳打ちして悪い知恵をつけました。廷臣たちは一斉に、パーシウスが彼らの王であり主君である陛下に対して不敬を働いたと呟きました。そして、偉そうなポリデクティーズ王自身も、手を振りながら威厳たっぷりの、厳しく太い声で、自分の身に迫る危険など露知らず、その首を出して見せろとパーシウスに命じました。
「わしにゴーゴンの首を見せよ。さもなければお前の首を打ち落としてやる!」
それを聞いて、パーシウスは溜息をつきました。
「今すぐにだ」とポリデクティーズは重ねて言いました。「でなければ命はないぞ!」
「では、お目にかけましょう!」とパーシウスは、まるでラッパを吹き鳴らしたかのような大きな声で叫びました。
そして彼がメヅサの首をさっと掲げると、瞬きをする暇もなく、悪いポリデクティーズ王と、いけない顧問官たちと、獰猛な群衆のすべてが、ただの王とその人民の群像へと変わってしまいました。
彼らはみんな永久に、その瞬間の表情と姿勢のままで、固まってしまったのです! 恐るべきメヅサの首を一目見ただけで、彼らは白い大理石の像になってしまったのです。そこでパーシウスは、またメヅサの首を袋にしまうと、もう悪いポリデクティーズ王を怖がる必要がなくなったことを知らせるために、懐かしいお母さんのもとへと急ぎました。

タングルウッドの玄関
――話のあとで――

「大変面白いお話だったろう?」とユースタスは訊ねました。
「ええ、とっても面白いお話だったわ!」とカウスリップは手を叩いて叫びました。
「それに、仲間で目が一つしかない、あのおかしなおばあさんたちなんて! あたし、そんな不思議なことって今まで聞いたことがないわ」
「でも、そのおばあさんたちがやり取りしていた一本の歯のことなら」とプリムロウズが口を挟みました。「別に驚くほどのことはないわ。あれは入れ歯だったのよ。

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