初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第33話

ホーソーン ナサニエル

彼の頭は夕立よりもずっと高いところにあったので、髪の毛一筋にも雨のしずくはかかっていなかったのです!

巨人はハーキュリーズがまだ海岸に立っているのを見ると、彼に向かってまた怒鳴り出しました。
「わしはこの世で一番力の強い巨人アトラスじゃ! そして、わしは空を頭の上に乗せておるのじゃ!」
「そうみたいだね」ハーキュリーズは答えました。
「ところで、君は僕にヘスペリディーズの庭へ行く道を教えてくれないか?」
「そこに何の用があるのじゃ?」巨人は尋ねました。
「僕は、いとこの王様のために、金の林檎を三つ取りたいんだ」ハーキュリーズは大声で言いました。「ヘスペリディーズの庭へ行って、金の林檎をもいでこられるのは、このわし以外にはおらんのじゃ」と巨人は言いました。
「この空を持ち上げているという小仕事さえなければ、海を五歩か六歩で渡って行って、お前のために取ってきてやるんだがなあ。」

「それはどうもご親切に」とハーキュリーズは答えました。
「それで、君は空をその辺の山の上にちょっと載っけておくというわけにはいかないのかい?」

「そんなに高い山はどこにもないんだ」アトラスは首を振りながら言いました。
「だが、もしもお前があの一番近い山の上に立てば、お前の頭はたぶんわしの頭と同じくらいの高さになるだろう。お前はかなりの力持ちのようだな。わしがお前の使いをしてやる間、わしの荷物を肩に乗せていてくれないか?」

よく覚えていてほしいのですが、ハーキュリーズはとてつもない力持ちでした。空を支えるには大変な筋力が必要でしたが、もしこの世でそんな芸当ができる人間がいるとすれば、彼こそがその人でした。それでも、あまりに難しそうな仕事だったので、彼は生まれて初めて二の足を踏みました。
「空っていうのは、そんなに重いものなのかな?」彼は尋ねました。

「そうさな、最初のうちはそれほどでもない」巨人は肩をすくめながら答えました。
「だが、千年もの間持っていると、さすがに多少は重くなってくるものだよ!」

「それで、君が金の林檎を取ってくるのに、どれくらい時間がかかるんだい?」勇士は尋ねました。
「ああ、それはちょっとした時間で済むさ」アトラスは叫びました。
「わしの一歩は十マイルか十五マイルもあるんだ。だから、お前の肩が痛くなり出さないうちに、あの庭へ行って帰ってこられるよ。」

「それじゃあ、わかった」ハーキュリーズは答えました。「僕はあの君の後ろにある山に登って、君の荷物を持っていてあげよう。」

実際のところ、ハーキュリーズは親切な心の持ち主だったので、一度こうして散歩に出る機会を与えてやれば、巨人に対して大変いいことをしてやることにもなると考えました。その上、単に百の頭を持つ竜を退治するだけの平凡なことよりも、空を持ち上げたという手柄を自慢できれば、自分自身の名誉のためにもなるだろうと思ったのです。

そこで、それ以上何も言わずに、空はアトラスの肩から、ずるずるとハーキュリーズの肩へと移されました。それが無事に済むと、巨人はまず第一に、大きく背伸びをしました。その時の彼がどんなに大した見ものだったかは、君たちも想像できるでしょう。次に、彼は一方の足を、そのまわりに生えていた森からゆっくりと上げました。それからもう一方の足も上げました。そして自由になったうれしさのあまり、突然跳ね回ったり、飛び上がったり、踊ったりし始めたのです。

空中、どれくらい高く飛び上がったのか見当もつかないほどで、また不器用にどんと落ちてくると、大地がぶるぶるっと震えました。それから――ほう! ほう! ほう!――と笑い出しましたが、その笑い声が山々にこだまして雷のように鳴り響くので、まるで巨人にそれだけの兄弟がいて、みんなで一緒に喜んでいるのかと思われるほどでした。

彼の喜びが少し落ち着いた時、彼は海の中へ足を踏み入れました。一歩目で十マイル進み、その時、水はまだ脛の半分ほどの深さでした。二歩目も十マイル進むと、水はちょうど彼の膝の上まで来ました。そして三歩目でさらに十マイル進むと、もう腰のあたりまで浸かりました。ここが海の一番深い場所だったのです。

ハーキュリーズは、巨人がますます向こうへと進んでいくのをじっと見ていました。この大きな人間の形をしたものが、三十マイル以上も先で腰まで海に浸かっていながら、上半身が遠くの山のように高く、かすんで青く見えているのは、まことに驚くべき光景でした。その大きな姿はだんだんとぼんやりしていき、やがて完全に見えなくなってしまいました。

こうなると、ハーキュリーズは、もしもアトラスが海で溺れたり、ヘスペリディーズの金の林檎を守っている百の頭の竜に噛まれて死んだりしたらどうしよう、と心配になってきました。もしもそんな不幸が起こったら、一体この空という重荷をどうやって降ろせばいいのでしょうか? それに、もうそろそろ空の重みが、彼の頭と肩にこたえ始めていたのです。
「本当に、あの気の毒な巨人はかわいそうなものだ」と、ハーキュリーズは心の中で思いました。「たった十分間でこんなにヘトヘトになるなんて。千年もこの重荷を背負い続けていた彼は、一体どれほど疲れ果てていたことか。想像するだけで恐ろしい!」

さあ、愛らしい子供たち。君たちには、僕たちの頭上にふわりと軽く浮かんでいるように見えるあの青空が、どれほどとてつもなく重いものなのか、想像もつかないでしょうね。おまけに、吹き荒れる嵐や、冷たくしめっぽい雲、肌を焼くような太陽の光が、代わる代わるハーキュリーズを容赦なく襲うのですから、たまったものではありません。彼は、あの巨人がもう二度と戻ってこないのではないか、と不安になり始めました。

彼はうらやましそうに、はるか下の地上を見下ろしました。
こんな目まいがするような高い山の頂上に立って、全身の力を振り絞って空を支え続けるよりも、山のふもとで羊飼いとしてのんびり暮らす方が、よっぽど幸せに違いない――彼はそう思い知りました。

なぜなら、君たちにもすぐにわかる通り、ハーキュリーズはただ肩に重荷を背負っているだけではなく、心に途方もない責任を負っていたからです。
もし彼がふらついて、空を支えるのをやめてしまったら、お日様がぐらついて落ちてしまうかもしれません。あるいは夜になって、たくさんのお星様が定位置からずり落ちて、人々の頭の上に火の雨のように降り注ぐかもしれません! もしも彼が重さに耐えかねてよろめき、空に大きなひび割れが入ってしまったら……そんなことになったら、英雄の名が廃るというものです。

それからどれくらいの時間が経ったのか、僕にはわかりません。しかし、遠く海の向こうの端に、雲のようにぼんやりとした巨人の大きな姿が見えてきて、ハーキュリーズが言葉では言い表せないほどホッとした瞬間が訪れました。

ようやくこちらに近づいてきたアトラスが手を上げました。その手には、一本の枝からぶら下がった、南瓜(かぼちゃ)ほどもある大きな金の林檎が三つ、握られていました。

「よく帰ってきたね!」巨人が声の届く距離までやってくると、ハーキュリーズは叫びました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました