そして、何気なく外の新鮮な空気を吸おうと窓を開けたところ、すぐ向こうに第×連隊の兵舎があるのを見つけたんだ……。
そう、一種のひらめきというか、本能的な直感だな、『これは絶対にスパイ事件に違いない!』と確信したのさ……そう気づいてみると、毎朝あの三人の外国人が必ずロビーへ朝食を食べにやってくることや、担当する給仕がいつもあの男ひとりに決まっていることなどが、次々と思い出されてきたというわけなのさ」こうなってしまえばあとは簡単なことさ。みどりさんを縛ったままにしておけば、あいつはまだ自分の罪がバレたことに気づかず、堂々とロビーで連絡を取るに違いない――そう思った読みが、まさに的中したのさ。
頼んでおいた警視庁のみんなも、実にみごとに芝居をしてくれたよ」
そして博士は、このように話を締めくくりました。
「つまり、あいつらはやりすぎたのさ。
特に必要のない場面で亡霊の噂を言いふらし、さらにぼくの研究の秘密を盗もうとして、タイミング悪く居合わせたみどりさんを物置に閉じ込めてしまった。
この二つのことが、自分から事件のしっぽを掴ませるきっかけになったようなものだからね――ことわざにもあるだろう、『過ぎたるは及ばざるに如かず(やりすぎは、やり足りないのと同じくらい良くない)』ってね、あははははは!」
初級翻訳・亡霊ホテル 第5話
亡霊ホテル
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