初級翻訳・四郎と口笛 第2話

四郎と口笛

――四郎は、息の強さをだんだんと強めていきました。
そうしているうちに、知らぬ間に口笛が鳴ってしまいました。
トンボは驚いて飛び去ってしまいました。
四郎はがっかりしたような気もしましたが、同時にわけもなくおかしくなりました。
――四郎の心は、いつの間にか空のようにすっきりと晴れ渡っていました。
四郎は思わず胸を張って、朗らかに口笛を吹きました。
「終わったの?」
母が言いました。
「ええ、もうすぐ終わります」
四郎は晴れやかな声で答えました。
わけもなく爽やかな気持ちが、心の底から泉のように湧き上がってくるのでした。
――今までは余計なことばかり考えていたな。
なーに、こんなものひと息だ――と、四郎は呟きました。
その言葉通り、彼の胸には力がみなぎっていました。
そして四郎は、さらさらと鉛筆を走らせました。
思うままに問題が片付いていく快さを、しみじみと感じました。
庭の木陰から、四郎の口笛のように涼しい風が吹き込んできました。
――それから十分も経たないうちに、四郎は宿題をすっかり片付けてしまいました。
そして遊びに出かけるとき、初めて快活な歌を口笛で吹き鳴らしながら、ラケットを抱えて門を駆け出していきました。

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