初級翻訳・山の別荘の少年 第5話

山の別荘の少年

 もう暖炉の火は細くなっていました。
 私は新しくまきをくべました。
 そしてふとわきを見ると、正夫はひじ掛け椅子の上で、うとうとと眠っていました。
 しーんとした静けさの中で、雪の降る音だけがかすかに聞こえています……。
 一体、今まで私に話しかけていたのは、いったい誰だったのでしょう。
 眠っているところを見ると正夫ではないし、私自身のはずはないし、ほかに誰もいませんでした。
 しんしんと雪が降っている夜更けです。
 私は立ち上がって、そっと正夫を抱き寄せました。
 正夫とうっとり目を覚まして私を見ると、ギュッと強くしがみついてきました。
 それを私はやさしくしっかりと抱きしめてやりました。
 暖炉の火が、ぱっと明るく燃え盛っていました。

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