初級翻訳・忠義者のヨハネス 第4話

グリム ヴィルヘルム・カール

やがてお妃さまが帰ってくるのを見ると、王さまは忠義者のヨハネスと二人の子どもを大きな戸棚の中に隠しました。
お妃さまが部屋の中に入ってくると、王さまは尋ねました。
「教会でお祈りをしてきたのかね?」
「はい……」「はい……」とお妃さまは答えました。
「でもわたくしは、あの忠義者のヨハネスが、わたしたちのためにこんな不幸な目にあってしまったことばかり、ずっと考えていたのです」

それを聞いて、王さまは言いました。
「妃よ、わたしたちは、ヨハネスをもう一度生き返らせることができるのだよ。しかし、それには二人の子どもが必要なのだ。わたしたちは、あの二人を犠牲にしなければならないのだ」

お妃さまは顔を真っ青にしました。心の底から深く驚いたのです。けれども、
「あの立派な忠義のことを思えば、それもいたしかたありません」
と、言いました。

これを聞いて、王さまは、お妃さまも自分と同じ考えであることを知って、心から喜びました。そこで戸棚のところへつかつかと歩み寄り、戸棚を引き開けました。そして、子どもたちとヨハネスを連れ出してきて、こう言いました。

「ありがたいことだ。ヨハネスは救われたぞ。子どもたちも、もとのままだ」

そこで、王さまは、お妃さまに今までのことを残らず話して聞かせました。
こうして、この人たちは、この世を去るまで、みんなで一緒に、幸せに暮らしました。

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