あくる日、あや子はそれを学校へ持っていき、お友だちにも分けてあげました。
そうしてその年の夏も暮れていきました。お母さんが言っていた通り、月日がたつのは本当に早いものです。
また夏がめぐってきました。するとあや子は、去年買った海ほおずきのことを思い出しました。
ある日、あや子はおばあさんの家を訪ねていきました。
車屋さんから四軒目の家を探してみると、そこは綿屋さんになっていて、見知らぬ若い人たちが住んでいました。
お祭りの日になりました。遠くのほうで、お寺の鐘の音が聞こえてきました。
ある晩、あや子はおばあさんがまた店を出していないかと思い、お寺の境内へ来てみました。去年のような色々なお店は出ていましたが、おばあさんの姿はやはりどこにも見当たりません。
そして、かつておばあさんが店を出していた場所には、知らない背の高い男が、地面にダリアの花をたくさん並べていました。
カンテラの火が、それらのダリアの花を照らしていました。
その中には、黒いダリアの花が咲いていました。
あや子は家に帰ってからも、なおその黒い花が目に焼き付いて離れなかったのであります。
初級翻訳・海ほおずき 第2話
小川 未明
コメント