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岸田 国士

初級翻訳・雪だるまの幻想(ラジオ・ドラマ) 第3話

老人 お前に悪いところなんかあったかしら? もしあったとすれば、世の中を少し甘くみていたぐらいのものだ。雪人形 ええ、それもそうだけど、あたしはなによりも「情熱」というものを軽蔑していたわ。それが自分にないからというよりも、それを人から指摘...
岸田 国士

初級翻訳・雪だるまの幻想(ラジオ・ドラマ) 第2話

(イヤホンをつけたことがわかるように、声を少し普通の調子に落として)昨日から度々申し上げたように、お父さんは「不自由は構わない」とおっしゃるけれど、われわれ子供の立場からは、それを黙って放っておくわけにはいかないんですよ。英三夫婦とも相談し...
岸田 国士

初級翻訳・雪だるまの幻想(ラジオ・ドラマ) 第1話

音楽 少女たちの合唱(歌というよりは、遠くから次第に近づいてくるような不思議な響きで)雪が降る日に わたしたちは目を覚ます雪が消える日に わたしたちは眠りにつく悲しみもなく 怒りもなくよろこびもなく ただ静かにわたしたちは息づき風に舞い 大...
小川 未明

初級翻訳・雪だるま 第1話

とてもいいお天気でした。野原も山も、雪が一面に真っ白く積もって、キラキラとかがやいています。ちょうどその日は学校がお休みだったので、次郎は家の外に出て、となりに住む勇吉といっしょに遊んでいました。「大きな雪だるまを一つ作ろうよ!」二人はそう...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・雨を降らす話 第5話

その中でも一番大がかりだったのは、去年の七月二十一日にニュー・メキシコ州で行われた実験です。その前にも、去年の正月にハワイで、ドライアイスを使って七十三ミリの雨を降らすことに成功したという報告がありました。しかしその時は、世間はあまり注目せ...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・雨を降らす話 第4話

零下三十七度というような低い温度まで、過冷却の状態を保つことはできません。この場合、氷はほとんど例外なく、試験管の壁からでき始めます。そのため、壁についている目に見えないような小さなホコリが芯となって最初の氷の粒ができ、それができると「氷と...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・雨を降らす話 第3話

冷凍装置を動かしながら、上蓋をあけておきます。すると、冷たい空気が箱の中に溜まった状態になります。底に近い空気は零下三十度近くまで冷えますが、上部は部屋の空気に触れているので、常温に近い空気になっています。上が暖かいので、冷蔵庫の中の空気は...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・雨を降らす話 第2話

この種の実験は何度も繰り返され、90パーセントの確率で成功したといいます。しかし、その後のソ連におけるこの研究の行方は知る由もありません。あるいは秘密にされているのかもしれませんが、立派に実用化される段階までは成功していないように見受けられ...
中谷 宇吉郎

初級翻訳・雨を降らす話 第1話

昔から、世界中のどの国でも「人間の力で雨を降らせたい」という願いを持っていました。雨乞いのお祈りや、雨を呼ぶための歌などは、まさにその気持ちの表れです。そうしたお話はさておき、科学の力で雨を降らせようという計画も、ずいぶん昔からいろいろな方...
雨ふり坊主

初級翻訳・雨ふり坊主 第1話

いいお天気がずっと続いて、どこの田んぼも土がカラカラに乾いてしまいました。太郎のお父さんも農家をしていましたが、自分の田んぼの稲まで枯れそうになってしまったので、毎日毎日外に出ては、空ばかり見上げて心配していました。太郎が学校から帰ってきて...
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