宮本 百合子

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ひな勇はん

初級翻訳・ひな勇はん 第5話

そして、私たちがその現実を思うだけで全身を震わせていた、九月の九日を迎えてしまったのだ。朝、目を覚ました瞬間から、二人はずっと一緒に過ごしていた。そうして長い時間、言葉も交わさずにご飯も食べず、ただお互いの手をなで合ったり、しっとりと潤んだ...
ひな勇はん

初級翻訳・ひな勇はん 第4話

そして千羽鶴をおって糸を通す針で小指をついたんで母はんによいんでつつんでもらったら友達が私に小指をきったんだろうって云われたなんかって云う事があった。一日一日と立つごとに私とお妙ちゃん雛勇はんとは段々仲がよくなるばっかりであった。お妙ちゃん...
ひな勇はん

初級翻訳・ひな勇はん 第3話

紫色にキラキラと光るたくさんの髪――私はまるで、絵の中、それも浮世絵の中からふわっと抜け出してきた人を見ているような気持ちでいました。ふっと、なんとなく、軽やかな微笑みが私の頬にのぼりました。「今日はいい日だこと。いつもより静かで――そして...
ひな勇はん

初級翻訳・ひな勇はん 第2話

一日中お部屋でぼんやりしているなんて到底ムリだし、それにやっぱりお妙ちゃんに会いたいし!」そんなことを思いながらごはんを食べて、昨日と同じ着物を着て、昨日よりもずっと大胆に格子戸をガラリと鳴らして、「お妙ちゃんはいる?」って声をかけることが...
ひな勇はん

初級翻訳・ひな勇はん 第1話

いつでも黒い被衣(かつぎ)をすっぽりとかぶって裾を引き下げていたおばあちゃんと一緒に、京都へ行っていたのは、ちょうど六月の終わり頃のことです。池の水草に白い豆みたいな花がポツリポツリと咲き始める時期から、紫陽花(あじさい)の色が色あせていく...
「モダン猿蟹合戦」

初級翻訳・「モダン猿蟹合戦」 第4話

不景気の根っこがなくなるなどと思ったら大間違いです。世界の不景気は、世界中の大金持ちや地主たち自身が作り出しているものなのですから。中国の私たちと同じようにしぼり取られている大衆のことなんか知ったことか! 機械は働く人たちのためにまわり、田...
「モダン猿蟹合戦」

初級翻訳・「モダン猿蟹合戦」 第3話

そのうえ、その地域の金持ちたちの言いなりである軍閥が戦いを起こすたびに、重い税金をむしり取られます。畑はめちゃくちゃに荒らされます。一年じゅう、いつも飢えに苦しんでいるような状態です。その上に、日本やアメリカ、イギリスといった強い国々が攻め...
「モダン猿蟹合戦」

初級翻訳・「モダン猿蟹合戦」 第2話

では、あの絵にあった「柿の種」をもらったのは、いったいどっちの人たちなのでしょうか?満州へ働きに行ったという話は、わたしたち働く人たちのまわりでも時々耳にします。だけど、それは現地の人に雇われて働かされに行ったのであって、わたしたちの中に「...
「モダン猿蟹合戦」

初級翻訳・「モダン猿蟹合戦」 第1話

二日ほど前のことです。ちょっと用事があって下町へ出かけ、日本橋の白木屋の前を通りかかりました。いつもはたくさんの人で賑わう場所ですが、その日は一段とすごい混雑でした。白木屋のショーウィンドウのまわりが、ものすごい人だかりになっているのです。...
ソヴェトのピオニェールはなにして遊ぶか

初級翻訳・ソヴェトのピオニェールはなにして遊ぶか 第2話

役割を決め、組織を決め、しかも一日で終わらせず、何日もかけて世界の革命をテーマにする。みんなが自分たちの頭で考え抜いて、この遊びをやり遂げたというところに、感心せずにはいられません。どうでしょう。日本の小さな同志たち。ひとつ負けじと、わたし...
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