宮沢 賢治

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ざしき童子のはなし

初級翻訳・ざしき童子のはなし 第1話

ぼくらの方に伝わる、ざしき童子(どうじ)のお話です。ある明るいおひるま、みんなが山へお仕事に行ってしまい、ふたりの子どもが庭であそんでいました。大きな家にはだれもいなかったので、まわりはしんと静まりかえっていました。ところが、家のどこかの座...
さるのこしかけ

初級翻訳・さるのこしかけ 第2話

すぐにおうちへ帰れるのかい?」「帰れますとも!今度は下りですから、わけありませんよ」「そうか……」と言いながら楢夫あたりを見回しましたが、もうさっき入ってきたトンネルの出口はありません。それどころか、向こうの木のかげや草のしげみの後ろから、...
さるのこしかけ

初級翻訳・さるのこしかけ 第1話

楢夫は夕方、家の裏にある大きな栗の木の下へ行きました。その幹のちょうど楢夫の目の高さくらいのところに、白いきのこが三つ生えていました。真ん中の一番大きなきのこに、両わきの二つはずっと小さくて、少し低い位置にありました。楢夫はそれをじっと眺め...
かしはばやしの夜

初級翻訳・かしはばやしの夜 第3話

「第七等賞、なまりのメタル!」「わたしがあとをつづけます!」さっきの木のとなりから、すぐまた一本の柏の木が飛び出しました。「よろしい、はじめ!」柏の木はちらっと清作の方を見て、ちょっとバカにするように笑いましたが、すぐに真面目になって歌いま...
かしはばやしの夜

初級翻訳・かしはばやしの夜 第2話

一等賞から九等賞までは、ぼくが大きいメダルを作って、明日枝にぶら下げてやるからな!」 清作もすっかり気分が乗ってきて言いました。「さあ来い! ヘタクソな奴の一等から九等までは、明日おれがスポンと切り倒して、こわいところへ連れていってやるから...
かしはばやしの夜

初級翻訳・かしはばやしの夜 第1話

清作は、「さあ、もう夕暮れだぞ、夕暮れだぞ」と言いながら、ヒエの根もとにいっしょうけんめい土をかぶせていました。その頃にはもう、銅で作ったようなお日さまが、南の山のすその群青色(ぐんじょういろ)をしたところに沈んで、野原のまわりは寂しくなり...
ありときのこ

初級翻訳・ありときのこ 第1話

一面の苔に霧がしとしとと降る中、蟻の歩哨(ほしょう)は、鉄の帽子のつばの下から鋭いひとみであたりをにらみ、青々とした大きな羊歯(シダ)の森の前を行ったり来たりしています。向こうから、ぷるぷるぷるぷる一ぴきの蟻の兵隊が走ってきました。「停まれ...
〔「銀河鉄道の夜」初期形一〕

初級翻訳・〔「銀河鉄道の夜」初期形一〕 第4話

「さあ、下りるんですよ」お兄さんは男の子の手をひき、お姉さんたちは互いにえりや肩をなおしてやって、だんだん向こうの出口の方へ歩き出していきました。「じゃあ、さようなら」女の子がふりかえって、二人に言いました。「さようなら」ジョバンニは、まる...
〔「銀河鉄道の夜」初期形一〕

初級翻訳・〔「銀河鉄道の夜」初期形一〕 第3話

「発破だよ、発破だよ」カムパネルラは小躍りしました。その柱のようになった水は見えなくなり、大きな鮭や鱒(ます)がキラっきらっと白く腹を光らせて空中に放り出され、円い輪を描いてまた水に落ちました。ジョバンニはもう踊り出したいくらい愉快になって...
〔「銀河鉄道の夜」初期形一〕

初級翻訳・〔「銀河鉄道の夜」初期形一〕 第2話

僕はあれをよく見て、気持ちをしずめるんだ) ジョバンニは、熱くなって痛む頭を両手で押さえるようにして、そっちの方を見つめました。(ああ、本当に、どこまでもどこまでも、僕といっしょに行ってくれる人はいないのだろうか。カムパネルラだって、あんな...
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