小川 未明

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小川 未明

初級翻訳・汽船の中の父と子 第1話

古びた小さな汽船に乗り、あてもなく東へ西へと海をさまよいながら、珍しい石や貝がらを探し歩く、ある父と子がいました。あるときは、北の寒い場所へ行き、名も知らぬ小さな島に上陸して、不思議な青い石を探したこともあります。またあるときは、南の熱い太...
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初級翻訳・水盤の王さま 第1話

去年の寒い冬のころから今年の春にかけて、金魚はたった一ぴきだけが生き残っていました。その金魚には友だちもいなければ、親や兄弟というものもありません。まったくの独りぼっちで、さびしそうに水盤の中を泳ぎまわっていました。「お兄ちゃん、この金魚っ...
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初級翻訳・気まぐれの人形師 第2話

二つの人形を並べてみると、赤い縮緬の着物を着たほうはお嬢様のように見え、紫のメリンスの着物を着たほうは、なんとなく腰元のように見えました。それからしばらくして、ある夜のことでした。近所に住む知人の女性が、子供を連れて遊びに来ました。帰る時、...
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初級翻訳・気まぐれの人形師 第1話

一 そこは、雪の降らない、ぽかぽかと暖かい南の港町でした。ある日のこと、ひとりの女の子が、その町をあちこち歩き回っていました。しばらくの間、寒さを避けてこの町に滞在していたのですが、もうずいぶんと日がたったので、お父さんと一緒に、北のほうに...
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初級翻訳・気にいらない鉛筆 第1話

次郎さんはかばんを肩にかけると、時計を見上げて言いました。「うわ、もうこんな時間じゃないか! もっと早くそう言ってくれればいいのにさ」お母さんや女中のきよさんに、ぶつぶつと小言を言います。「毎朝、言われなくても自分で気をつけるものですよ」お...
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初級翻訳・殿さまの茶わん 第2話

そんな品は、名もない職人が焼いたのでしょう。もとより殿さまのようなお方に、自分の焼いた茶わんが使われるなどとは、夢にも思わなかったことでしょう」と、農家の主人は恐れ入って申し上げました。「それはそうだろうが、なかなか感心な人間だ。使う人のこ...
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初級翻訳・殿さまの茶わん 第1話

昔々、ある国に、とても有名な陶器職人がいました。代々受け継がれてきたその家の焼き物は、遠く離れた他国にまで名が知れ渡るほど評判でした。代々の主人は、山から採れる土を厳しく吟味し、腕の良い絵師を雇い、たくさんの職人を集めて仕事をしていました。...
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初級翻訳・武ちゃんと昔話 第1話

この夏休み、武ちゃんが叔父さんの住む村へ遊びに行った時のことです。ある日、村のはずれまで散歩をしていると、そこに大きな屋敷がありました。まるで小さなお城のように、立派な土塀(どべい)がぐるりとめぐらされています。しかし、雨風にさらされて古び...
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初級翻訳・正二くんの時計 第1話

正二くんは時計が欲しくてたまらず、これまで何度も何度も、お父さんやお母さんに「買って!」とお願いしてきました。でも、返ってくるのはいつも決まってこんな言葉でした。「中学に上がるときに買ってあげるよ。今はまだ必要ないだろう。」戦争が始まってか...
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初級翻訳・正ちゃんとおかいこ 第1話

東京の街の中では、かいこを飼っている家なんてめったにありません。だから正ちゃんにとって、かいこはとてもめずらしい生き物でした。「かわいいなあ。ぼくにも一匹ちょうだいよ」そういって、学校でお友だちが持ってきたかいこを、三匹もらいました。正ちゃ...
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