小川 未明

スポンサーリンク
小川 未明

初級翻訳・森の中の犬ころ 第1話

町のある酒屋さんの物置小屋で、行くあてのないお母さん犬が、子どもを産みました。「まったく、こんなところで犬が子どもを産むなんて、困ったもんだ」と、お店の主人は不満そうに言いました。これも、お店で働く若い衆たちが、普段から小屋の中をきれいに片...
小川 未明

初級翻訳・村のかじやさん 第1話

村のかじやさんはとっても働き者で、いつも夜遅くまで「テンカン、テンカン」と金づちを鳴らしていました。ある夜、あっちの森でキツネが「コンコン」と鳴きました。かじやさんは、「お正月の休みに、あのキツネを捕まえてやろう」と思いました。かじやさんは...
小川 未明

初級翻訳・木に上った子供 第2話

そして、さっきから自分も、なんだかこの木のてっぺんのところまで、空がぐっと低くおりてきているような気がしてしかたがなかったのです。(もしかしたら、おばあさんの言うお母さんが、僕のために下りてきてくださったんじゃないかしらん……)辰吉は心の中...
小川 未明

初級翻訳・木に上った子供 第1話

あるところに、辰吉(たつきち)という名前の少年がいました。辰吉は、うんと小さいころにお父さんやお母さんとお別れして、おばあちゃんに育てられました。ほかの子供たちが、やさしいお母さんにめいっぱいかわいがってもらったり、お姉ちゃんやお兄ちゃんに...
小川 未明

初級翻訳・木と鳥になった姉妹 第2話

そのとき、男はニヤリと笑って言いました。「さあ、いよいよ私の望みを言うよ。私に、どうかこの美しい妹さんをください」姉と妹は、心の中でどうしようかと深く悩み、困ってしまいました。けれど、さきほど「何でもあげる」と約束してしまった手前、どうする...
小川 未明

初級翻訳・木と鳥になった姉妹 第1話

むかしむかし、あるところに、心やさしいおばあさんが住んでいました。このおばあさんは、たくさんの物語を知っていました。ドキドキするような怖いお話や、不思議なお話、そしてクスッと笑えるような楽しいお話も知っていました。今からお話しする物語も、そ...
小川 未明

初級翻訳・月夜とめがね 第2話

おばあさんは、いい香水のにおいが、少女の体にしみ込んでいるとみえて、こうして話しているあいだに、ぷんぷんと鼻をくすぐるのを強く感じました。「それなら、おまえは、私を知っているのかい?」とおばあさんは尋ねました。「私は、この家の前をこれまで何...
小川 未明

初級翻訳・月夜とめがね 第1話

町中も、野原も、どこもかしこも美しい緑の葉っぱに包まれている季節でありました。それは、うっとりするような、月がとてもきれいな夜のことです。しずかな町のはずれに、ひとりでおばあさんが住んでいました。おばあさんは、ぽつんとひとりで窓の下に座り、...
小川 未明

初級翻訳・月と海豹 第2話

遠い国の面白いお話でもして聞かせてあげようか?」とお月さまがアザラシに言うと、アザラシは首を横に振って、こう言いました。「どうか、私の子供がどこにいるのか教えてください。見つけたら知らせてくれるって約束した風は、まだ何も言ってきてくれません...
小川 未明

初級翻訳・月と海豹 第1話

北の海は、銀色に凍りついていました。長い冬の間、太陽はほとんどそこへ顔を出しませんでした。なぜなら、太陽は暗くてさびしい場所が好きではなかったからです。そして海は、死んだ魚の目みたいにどんよりと曇り、毎日雪が降っていました。一匹の親のアザラ...
スポンサーリンク