新美 南吉

スポンサーリンク
デパートの窓

初級翻訳・デパートの窓 第1話

デパートの窓の、カーテンがするりとあいた。時計がカンカン六つなる。デパートの窓から、パンを焼くいいにおいが流れてきた。時計がカンカン八つなる。デパートの窓に、まるで花が咲いたみたいに、色とりどりのパラソルがひらいた。時計がカンカン十もなる。...
りんごの車

初級翻訳・りんごの車 第1話

りんごの車新美南吉りんごが三かごのっている車が、ころころ転がっていった。子供が押していた。(りんごが一かご あちらで売れた。)りんごが二かご木箱の車が、ころころ転がっていった。子供が押していた。(りんごが一かご こちらで売れた。)りんごが一...
よい家

初級翻訳・よい家 第1話

よい家新美南吉イワノーイツチが、窓をあけました。「おや、これはいい窓だ。本当にいい窓だ。ここで吸うトルコ煙草は、最高においしいぞ」イワノーイツチが、テラスをながめました。「おや、これはいいテラスだ。本当にいいテラスだ。朝の新聞を読むには、も...
のら犬

初級翻訳・のら犬 第2話

「逃げたか?」「はい、逃げました」「正観」「はい」「おまえは一体、こんな時間に何で鐘楼なんぞへ上がっていたんだ?」「さびしかったから……」「鐘楼へ上がっていれば、さびしくなくなるのか?」「鐘をゲンコツで叩くと、おん、おん、おんと、和尚さんの...
のら犬

初級翻訳・のら犬 第1話

一 常念(じょうねん)御坊は、なによりも碁(ご)が大好物でした。 今日もとなり村の檀家(だんか)さんから法事でよばれて、お昼すぎからずっと碁を打ち続けていました。ふと気づくと日がかげって暗くなっていたので、御坊はびっくりして腰を上げました。...
タケノコ

初級翻訳・タケノコ 第1話

タケノコ新美南吉 タケノコというのは、はじめ地面の下にいて、あちこち潜って進んでいくものです。そして、雨が降ったあとなどに、ポコポコと土から頭を出すのであります。さて、このお話は、まだそのタケノコが地面の中にいたときのことです。タケノコたち...
たけのこ

初級翻訳・たけのこ 第1話

たけのこ新美南吉たけのこは、はじめのうちは地面の下にいて、あっちへ行ったりこっちへ行ったりと、土の中をもぐって進むものなのです。そして、雨が降ったあとなどに、ぽこぽこと土から頭を出すのであります。さて、このお話は、まだそのたけのこたちが地面...
そりとランターン

初級翻訳・そりとランターン 第1話

ランタンをともしたそりだから、火花みたいに走ってる。ランタンのほのかな光のそりだから、そこだけ粉雪が照らされてる。ランタンの青い光のそりだから、トナカイのおしりが光ってる。ランタンが消えそうなそりだから、誰かが両手でかばっている。ランタンが...
お母さん達

初級翻訳・お母さん達 第1話

お母さんになった小鳥が、木の上にある巣の中で卵を温めていました。するとまた今日も、牝牛(めうし)がその木の下へやって来ました。「小鳥さん、こんにちは」と牝牛が言いました。「まだ卵はかえりませんか?」「まだかえりませんよ」と小鳥は答えて言いま...
うた時計

初級翻訳・うた時計 第2話

「いまでもその歌を歌うのかい?」「うん、おじさんも知っているの?」「おじさんも子どものころ、そうやってひよめをからかったものさ」「おじさんも小さいとき、よくこの道を通ったの?」「うん、町の中学校へ通ったもんさ」「おじさん、また帰ってくる?」...
スポンサーリンク