楠山 正雄

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山姥の話

初級翻訳・山姥の話 第2話

観音さま、観音さま、どうぞお助けくださいまし!」 こう心の中で必死に祈りながら、今にも山姥が上がってくるか、上がってくるかと待ち構えていました。 ところが山姥は、すぐにはなかなか上がってきませんでした。 やがてまた大きなあくびをして、「二階...
山姥の話

初級翻訳・山姥の話 第1話

山姥と馬子       一 冬の寒い日のことでした。 馬を連れて荷物を運ぶ仕事をしている「馬吉(うまきち)」という男が、町でたくさんのおおぶりな大根を馬の背中に積んで、三里ほど離れた自分の村へ帰るところでした。 町を出発したときはまだ明るい...
家なき子

初級翻訳・家なき子 第4話

「あの子はとこにはいるとすぐに目がくっつくのだから、だいじょうぶなにを言っても聞こえやしませんよ」わたしはむろん、「いいえ、ねむっていません」と言わねばならないはずであったが、言えなかった。わたしはねむれと言いつけられた。それをまだねむらず...
家なき子

初級翻訳・家なき子 第3話

「やれやれ、祭りのごちそうか。まあ、やるがいい」とその男はがさつな声で言った。「おやおやまあ」と、バルブレンのおっかあはびっくりしてさげなべを下に置き、声をあげました。「まあジェローム、おまえさんだったの!」そのときおっかあはわたしの腕を引...
家なき子

初級翻訳・家なき子 第2話

道は遠いし、お金がかかる。そのあくる朝、わたしは村へ行ってぼうさんに相談した。ぼうさんは、まあ向こうへ行って役に立つかどうか、それがよくわかったうえにしないと、つまらないと言った。それでぼうさんが代筆をして、バルブレンのはいっている慈恵病院...
家なき子

初級翻訳・家なき子 第1話

生い立ち わたしは捨て子だった。でも、八つの年まではほかの子どもと同じように、自分にも母親があると思っていた。それは、わたしが泣けばきっと一人の女の人がやって来て、優しくだきしめてくれたからだ。その人がねかしつけに来てくれるまで、わたしはけ...
大江山

初級翻訳・大江山 第3話

酒呑童子はそれを一気に飲み干すと、これもまた本当においしそうに舌鼓をうちながら、「これはなんと美味いお酒だ!もう一杯くれ!」と、さらに杯を差し出しました。頼光は「心の中ではしめた!」と思いながらも、顔にはみじんも出さず、何食わぬ顔で、「どう...
大江山

初級翻訳・大江山 第2話

そうすれば、川のそばに十七、八歳くらいのお姉さんがいるはずですから、その子に道を聞いて、鬼の岩屋へお行きなさい」と言ったかと思うと、三人ともふっと姿を消してしまいました。頼光たちは、あの三人のおじいさんこそ、住吉(すみよし)の明神(みょうじ...
大江山

初級翻訳・大江山 第1話

一むかし、源頼光(みなもとのよりみつ)という、とてすごいつよい大将がいました。その家来には、渡辺綱(わたなべのつな)、卜部季武(うらべのすえたけ)、碓井貞光(うすいさだみつ)、坂田公時(さかたのきんとき)という、四人のものすごいつうとい武士...
和尚さんと小僧

初級翻訳・和尚さんと小僧 第1話

一 とってもケチな和尚さんがいました。何かをもらってきても、いつも自分一人で食べてしまい、小僧さんには一つもくれませんでした。小僧さんはそれが悔しくて、「いつかチャンスを見つけて、和尚さんからおいしいものを横取りしてやろう」とたくらんでいま...
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