江戸川 乱歩

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妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第30話

小泉氏はしばらくのあいだ、何を考える力もなく、ぼうぜんと立ちつくしていましたが、やがて、ハッとわれにかえると、いまいましそうにつぶやきました。「おお、そうだ、わしは今の今まで二十面相と話をしていたのだ。今の老人こそ、二十面相の変装姿だったに...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第29話

きみは何か、信雄のことを知っているのかね?」「知っているどころか、わしはつい今しがたまで、あの子どもと話をしていたのですよ」「エッ、話を!? で、信雄はいかしどこにいるんだ!」「エヘヘヘ……。それはちょっと申しあげられませんが、わしはその場...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第28話

ハハハ……。」「エッ、それじゃきみは二十面相……。」「ハハハ……、やっとわかったかね。頭の悪い探偵さんだ。わしは二十面相ともいうし、蛭田博士ともいうし、殿村探偵ともいうし、まだそのほかにいろいろの名を持っているよ。で、わしが、なぜきみをここ...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第27話

わたしがどんなに感謝しているか、言葉にあらわせないほどですよ。もしきみが救ってくれなかったら、愛子はどんなおそろしいめにあっていたか知れません。人さらいというものは、今でもないとはいえないからね。さあ、奥へ通ってください。奥の部屋でゆっくり...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第26話

この好敵手は、たがいにその心中の秘密を、手に取るように読みあっていたのです。使いの運転手は、その場から警視庁に連行され、げんじゅうな取りしらべをうけましたが、ただ道で出あったきたないじいさんから、千円の謝礼をもらって、何も知らず手紙をとどけ...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第25話

その小林くんに変装をさせ、殿村探偵の後をつけさせて、うまく敵の裏をかくことができたというわけです」中村係長も刑事たちも、このハッとするような分かりやすい説明を聞いて、なるほどそうだったのかと、いまさらのように明智探偵のすばらしい推理に感心し...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第24話

それを新聞記者たちにジャマをされてしまったものだから……」明智探偵は、刑事たちをせめることもせず、まるで自分の手落ちであったかのように、とてもくやしそうにするのでした。「いえ、ぼくこそ、なんとも申しわけない大失敗でした。すぐに町じゅうに非常...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第23話

」そして、小屋のすりガラス戸を、ガラガラとひらき、うすぎたないじいさんが、ノロノロと外に出ました。見れば、古びた洋服に、ぞうりばきで、頭には、やぶれたソフト帽をまぶかにかぶり、長いひものついた拍子木(ひょうしぎ)を、首にさげてブラブラさせて...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第22話

たとえ抵抗しようとしても、後ろ手にしばりあげられているうえ、四人のくっきょうな刑事がつきそっているのですから、どうすることもできはしません。明智探偵、中村係長、相川技師長、それから小林君はじめ四人の少年は、まだ書斎にいのこり、新聞記者にとり...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第21話

そして、いきなり身をおどらせて、あいたままになっていた書だなのうしろの衣装部屋へかけこんだかと思うと、とつぜんパッと電灯が消えて、部屋の中は墨を流したような暗やみになってしまいました。むろん、殿村が衣装部屋にしかけてあるスイッチを切ったので...
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