江戸川 乱歩

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妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第20話

殿村でなくても、この不意うちには、ギョッとしないではいられません。部屋にいあわせた人々は、いったいなにごとがおこったのかと、あっけにとられて、天井を見つめました。名探偵の勝利見ていますと、その人の顔が、ヒョイと屋根裏のやみの中へ引っこみまし...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第19話

――天井の顔――自分のせむしの変装を見破られた殿村は、何がおかしいのか、突然ゲラゲラと声を出して笑い出しました。「ワハハハ……! ぼくが蛭田博士だって? こいつはおもしろい……」「明智くん、きみは頭がおかしくなったんじゃないのかい?あの蛭田...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第18話

「見せてもらおうじゃないの!」「それではまず聞くが、君は一体、この事件の犯人を捕まえてみせるという約束をどうするつもりだい? なるほど四人の少年と機密文書は取り戻したが、肝心の犯人を逃がしてしまったじゃないか。それなのに、約束を果たしたよう...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第17話

いくらなんでも、あれほどたいせつな書類が、紙くずどうぜんに、くずかごの中へほうりこんであろうなどと、だれが考えるじゃろう。しかも、クシャクシャにまるめてほうりこんであるのじゃ。さがすほうでは、かぎのかかったひきだしとか、秘密の戸だなとか、そ...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第16話

その中には、さるぐつわをはめられ、からだじゅうをぐるぐる巻きにしばられた、パジャマ姿の少年がうずくまっていたのですが、像がこわれて支えるものがなくなったものですから、フラフラと台の上からころがり落ちて、床にたおれてしまいました。「泰二! お...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第15話

まがりくねったつえをついて、背中をまるくして、エッチラ、オッチラおりていくようすは、この気味の悪い場面によく似あって、殿村自身が、人間ではなくて、どこかよその世界からやってきた、魔物のように感じられるのでした。中村係長は、万が一のときに備え...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第14話

それとも、乞食少年は探偵に見つかってギョッとなり、逃げ出したでしょうか。いやいや、決してそんなことはありませんでした。実に不思議なことに、探偵も乞食少年も少しも驚いた様子を見せず、お互いに顔を見合わせると、ニコニコと笑い出したのです。それか...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第13話

ぼくは、その半分の五日間で、犯人を見つけだすつもりでいるんだが……」それを聞くと、殿村はギョッとしたように明智の顔を見つめましたが、ただでさえみにくい顔をいっそう歪め、まるで野獣のように吠え声をあげました。「なんだって? きみは手がかりをま...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第12話

まるで大きなこぶでもできているように背中がふくれあがり、上半身が二つに折れたようにまがって、顔だけが、蛇が首を持ち上げるように、ニューッと空を向いているのです。姿だけではありません。その人は、またじつにおそろしい顔をしていました。何年まえに...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第11話

するとそのとき、どこからともなく、どん底に響くような気味の悪い笑い声が聞こえてきました。「フフフ……、びっくりしているね。かわいそうに。だが、これで終わりじゃないんだぜ。まだ続きがあるんだ。きみたち、そのたるの中にいったい何が入っていると思...
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