江戸川 乱歩

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妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第40話

ゴロゴロとのどを鳴らすようなうなり声が、今にも背中にせまってきそうで、走りながらも気が気ではありませんでした。先頭の小林君は、団員たちが逃げおくれやしないかと、うしろをふりむきふりむき走っていましたが、さいぜんの深いほら穴のあたりまで来ます...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第39話

「おい、どうしたの? 今さけんだのはだれだい。」小林君の声に、うしろのほうから桂君が答えました。「篠崎君がつまずいてたおれたんですよ。」小林君が懐中電灯をふりてらしながら、列のうしろへもどってみますと、その光の中に、たおれた篠崎少年が、顔を...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第38話

それにあたりがまっくらで、光といっては懐中電灯ただ一つだものですから、いっそうこわい夢でもみているような感じで、その奥底の知れぬやみの中から、何かとほうもない怪物が、今にもノソノソあらわれてくるのじゃないかと思うと、さすが勇敢な少年たちも、...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第37話

「いいや、ひとりも来てねえだよ。鍾乳洞はこのごろさびしがっているだ。おめえさん方、学校の遠足かね。子どもばっかりで、こんな山の中へよくやってきただな、道でモモンガに出っくわさなかっただか。」「ハハハ……、モモンガってなんですか? 山のおばけ...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第36話

「ほらごらん! 声の主はここにいるんだよ!」明智探偵が指さしたほうを見ると、ああ、なんとびっくりしたことでしょう!今抜き取った鎧の胴体のすぐ後ろに、小型のテープレコーダーがくくりつけられており、カセットのテープがグルグルと回っていたのです!...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第35話

信雄君は死にものぐるいで勇気をふるいおこし、おずおずと二人のあとについていきました。こんな風に書くと、二十面相の声が聞こえてから三人が奥の間に踏み込むまで、かなり時間がかかったように感じられるかもしれませんが、実際は一秒か二秒の、とても素早...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第34話

だけどね、ただの名画なら、信雄が無事に帰ってきたことであきらめられるけれど、あの雪舟の絵は国宝なんだよ。わたし一人の損だけですむ話じゃない。日本の美術界に対しても、合わせる顔がないんだ。明智さん、なんとかしてあれを取り戻すいい方法はないもの...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第33話

ああ、そうそう、夕方あなたから、何か重大な相談があるからって、お電話がありましたね。しかし、すぐそのあとから、あなたご自身で、もう来るにはおよばないって、またお電話があったものですから、わたしはほかの用件で外出したのですよ。」「エッ、わたし...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第32話

」 小泉さんは、明智さんがさしだした桐(きり)の箱をそのまま受け取ると、鋼鉄箱の棚にしまい、扉を閉めて、暗号のダイヤルをクルクルと回しました。ふたりは土蔵から出てしっかりと戸締まりをすると、またもとの座敷にもどり、明智さんは女中さんが持って...
妖怪博士

初級翻訳・妖怪博士 第31話

まあ、ぼくにすべてお任せください!」「しかし、手品を使うといっても、その掛け軸は、このわたしが自分で持って行かなければならない約束なのです。わたしにそんな手品なんて使いこなせるでしょうか?」「ハハハ……、いやいや、あなたでは、失礼ですが到底...
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