江戸川 乱歩

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一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第34話

三千子という人は非常なおしゃれで、化粧台にはこの他にもまだたくさんの化粧品があったのですが、妙なのは、それらには少しも指紋がついていないことです。一度でも使用した化粧品の瓶に指紋がついていないというのは、少し考えられません。使用するたびに瓶...
一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第33話

第一は養源寺の和尚、すなわち例の不具者ですが、これはもっとも凶悪無惨な気違いには相違ないけれど、彼が三千子の手足を公衆の前にさらしたこととか、山野夫人を脅迫したことなどから考えて、直接の犯人でないことは明白です。第二は山野夫人です。この人は...
一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第32話

「うまくあいつが逃げてくれるか、いっそのこと屋根から落ちて死にでもしたら、また善後策を講じることもできるでしょうが、こうなってはどのみち覚悟を決めなければなりませんね。この先もずっと、僕はあなたの味方になって、できるだけのことはやってみます...
一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第31話

「僕は命なんかちっとも惜しくありません。あなたと一緒に死ぬのだったら、命なんかちっとも惜しくありません。僕を一緒に死なせてくださいますか」「まあ、あなたは……どうして死ぬことなんかおっしゃるのです」「だって、あなたは絞首台が怖くないのですか...
一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第30話

命がけの軽業が始まりました。白衣の怪物が空に浮きました。針金を握って足を離すと、ハッと思う間にツルツルと五、六間(約10〜12メートル)滑りました。針金がピュウンとうなり、煙突が弓のようにしなりました。針金が手のひらに食い込み、鑢(やすり)...
一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第29話

隠し戸になっていたのです。隠し戸の向こう側は、壁と壁の間にある、人ひとりがやっと通れるほどの狭い通路でした。彼らは手探りでその中へ入っていきました。紋三はふと、子供の頃に遊んだかくれんぼを思い出していました。そんなふうに、恐ろしいというより...
一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第28話

小人というものは、首や胴体は普通の人間と変わりはない。ただ足だけが不自然に短いものだということを考えてみたまえ」「義足ですって? そんな馬鹿げたことで、うまく誤魔化せていたのですか?」「馬鹿馬鹿しいだけに、かえって安全なのだよ。ただ義足と言...
一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第27話

彼はとにかく山野家を出て、電車道の方へ歩いて行きました。「これは一度、明智でも訪問して気を紛らわせた方がいいかもしれない。三日ばかり会っていないのだから、探偵の方もずいぶん進捗しているだろうし、それにこの間はなぜか隠すようにしていたが、どう...
一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第26話

彼は、一寸法師がこのような場所に入ったことを、意外に思っている様子でした。表札をすかして見てみると、「人形師 安川国松」とようやく読み取ることができました。一寸法師は中に入ると、格子戸にしっかりと鍵をかけ、ほっと息をつきました。しかし、自分...
一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第25話

俺はな、一本の足を千住の溝の中へ、一本の足を公園のひょうたん池の中へ、一本の手を呉服店のショーケースへ、一本の手をある家へ小包にして送ってやったのさ。うふふふふ、そいつが今、世間じゃ大評判なんだぜ。こんなに気持ちのいいことはないよ」うつろの...
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