江戸川 乱歩

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大金塊

初級翻訳・大金塊 第3話

いったい、この怪人物は何をしようとしているのでしょう。となりの客間をガタガタいわせていた同類たちは、とっくに立ちさってしまったのに、こいつだけが、なんのためにいつまでも居残っているのでしょう。外はだんだん明かるくなってきたらしく、カーテンの...
大金塊

初級翻訳・大金塊 第2話

声をたててはいけない。ただ目をつむって寝ていればいいのだ。もし、さわいだりすると、きみはどんなめにあうかもしれないよ。それがこわかったら、ただじっとしているのだ。じっとしてさえいれば、きみは安全なのだ。いいかね、命がおしかったら、そのままじ...
大金塊

初級翻訳・大金塊 第1話

恐怖の一夜 小学校六年生の宮瀬不二夫(みやせふじお)くんは、たったひとりで、広々としたおうちでお留守番をしていました。 不二夫くんのおうちは、東京の北西の端にあたる荻窪(おぎくぼ)の、人の少ない静かな丘の上に建っていました。 このおうちを建...
塔上の奇術師

初級翻訳・塔上の奇術師 第5話

シーンとして、暖炉棚の上の置時計のカチカチという音だけが、いやに大きく聞こえるのです。「わしはちょっと手洗いへ行ってくるから、しっかり見張っていてくれよ」淡谷さんがそう言って立ち上がりました。「ええ、大丈夫です」一郎青年が頼もしげに答えまし...
塔上の奇術師

初級翻訳・塔上の奇術師 第4話

そういう騒ぎですから、怪人四十面相が宝石を盗みに来るということは、家中の人に知れ渡りました。スミ子ちゃんももちろんそれを知っているので、学校へ行っても先生のお話が耳に入らないほどでした。主人の淡谷さんはその日は会社も休んで書斎で頑張ることに...
塔上の奇術師

初級翻訳・塔上の奇術師 第3話

五色にチカチカと輝くダイヤモンド、真っ赤なルビー、青く澄んだサファイア、エメラルド、そのほかにもスミ子ちゃんが名前も知らないような宝石が、ずらりと並んでいました。「ほほう、これはすばらしい」お客さまも思わず感嘆の声を上げ、宝石箱に釘付けにな...
塔上の奇術師

初級翻訳・塔上の奇術師 第2話

その上にそそり立つ、とんがり帽子のような屋根のてっぺん。避雷針の鉄の柱の根元に、なにかがうごめいているのです。「あらっ! 人間だわ。どうして、あんな高いところへ登ったのでしょう」「でも、まっ黒な羽根のようなものがヒラヒラしているわ。人間かし...
塔上の奇術師

初級翻訳・塔上の奇術師 第1話

ふしぎな時計塔 ある夕暮れ時、名探偵・明智小五郎の少女助手である花崎マユミさんは、中学一年生のかわいらしい二人の少女と手を取り合って、さびしい原っぱを歩いていました。 畑があったり、林があったり、青い草で縁取られた小川が流れ、その上に昔なが...
一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第36話

山野氏は、そこまで先を見越して考えていたのかもしれません」そうして明智の説明が一段落つくと、三千子、蕗屋、安川国松の三人は、ともかく近所の原庭署へ連行されることになりました。しおらしくすすり泣く三千子、青ざめた蕗屋、ぶるぶると震えている安川...
一寸法師

初級翻訳・一寸法師 第35話

一寸法師が普通の人間に化けていたとき、その足が本物の義足ではなく、木で作った人形の足だったからです。特別な工夫が凝らされていて、曲がる部分など実にうまくできていました。奴がいつも靴を履いていたのは、そのためですよ。そんな物を作れるのは、人形...
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