海野 十三

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海野 十三

初級翻訳・透明人間 第2話

「きょうじゅうには、むりでございますよ」「あすになるか? なんとか早く、とどけさせる方法はないものかな? 馬車ならいってこられそうなものだが……」 がっかりしたようすで、なおもつづけた。おかみさんは、この雪ではとてもだめだろうと、客のようす...
海野 十三

初級翻訳・透明人間 第1話

黒馬旅館の客影のような男 怪物! そうだ、怪物にちがいない。怪物でなくて、なんだろう? 科学が発達した、いまの世の中に、東洋の忍術使いじゃあるまいし、姿がみえない人間がいるなんて、これは、たしかに変だ。奇怪だ! しかし、それは、ほんとうの話...
海野 十三

初級翻訳・軍用鼠 第8話

だからこそ、軍用鼠の鼻の頭には小さな鉄の兜(かぶと)を着せておかなければならないのだ。実は、老人レッドからひっきりなしにネズミを買い集めていたラチェットという人物は、この軍用鼠の研究家だった。彼の住む寒い白の国には、ネズミという生き物が全く...
海野 十三

初級翻訳・軍用鼠 第7話

あの小さな子ネズミたちは、きっと税関までやって来る途中に生まれたものに違いありませんぜ」「バカを言うな、親ネズミがわざわざ栓のしてある木箱の中に子どもを産むわけないだろう」と、ワイトマンは全く相手にしませんでした。作者の梅野十伍は、ここまで...
海野 十三

初級翻訳・軍用鼠 第6話

作家の梅野十伍は、自分のこぶしをグッとふりあげて、自分の頭をゴツーンと自分で殴りました。彼はとても悲しそうな、真剣な顔をして、再びペンを手にとりました。「旦那ァ。昨日は朝っぱらから来たって怒られたから、今日はこうして午後になってやってきまし...
海野 十三

初級翻訳・軍用鼠 第5話

生まれつき正直だなんて言う奴で、本当に正直な奴なんていたためしがない。ことに貴様は、最近ここに現れたばかりだが、その面の皮の厚そうな顔立ちは、本国政府からちゃんと『注意人物』として本官のところへ通達が来ているんだぞ。どうだ、驚いたか? ごま...
海野 十三

初級翻訳・軍用鼠 第4話

今後は黙ってズンズン進行することに方針変更) いよいよ「鼠の顔」が高らかに読みあげられた。「あたくしよ。――」 と、梅ヶ枝女史が叫ぶよりも一歩お先へ、女史の隣りの夫人(名前をつけて置くのを忘れた)が、「それは十四子さんのよ」 と叫んだ。女史...
海野 十三

初級翻訳・軍用鼠 第3話

うむ、今のところ、まだ大丈夫だ)若い二人が抱き合っている傍らには大きなザクロの木があって、枝にはたわわに赤い実がなっています。その間を早起きのハチドリの群れがチュッチュッと飛び戯れています。まるで更紗(さらさ)の模様のように。お城では妖婆ア...
海野 十三

初級翻訳・軍用鼠 第2話

彼は大喜びで机にかぶりつき、取るものもとりあえずその青い本を開いて読み出した。『アダムが八千回目の誕生日を迎えたとき、天帝は彼の姿を老婆の姿にお変えになられた。それと同時に一つの神通力を下し給うた。すなわち、アダムが飼っていた多数のネズミを...
海野 十三

初級翻訳・軍用鼠 第1話

探偵小説家の梅野十伍(うめのじゅうご)は、机の上に原稿用紙を広げたまま、すっかり元気をなくしてしょぼくれていました。棚の時計を見ると、針は二時十五分を指していました。それは午後の二時ではなく、夜中の二時でした。カーテンをめくって外を見ると、...
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