背後のエウロパは時計の分針のように速く動き、すでに地平線に落ちていました。一瞬驚いて立ち止まった先に見えたのは、とても素敵な小さな町でした。小農場の三十フィート先にあり、手のひらほどの窓々に明かりがまたたいています。スリネズミに明かりを使う文明があるとは知りませんでした。たぶん小さなろうそくか、小型の油燭台なのでしょう。
グラントは暗闇の中で目を凝らしました。二番目の三フィートの畑が強心草のようです。低く身をかがめて這い出し、新鮮な白い葉っぱに手を伸ばしました。
その刹那、甲高い「イッヒッヒ」という笑い声と、バサバサという草の音が背後から聞こえました。あのべらぼうです。紫色の、馬鹿なべらぼうめ! ギャーギャーという金切り声が響き渡りました。
グラントは両手にいっぱいの強心草をつかむと、明かりのついた自分の掘立小屋へ向かって突進しました。毒棘に刺されたり、病原歯に噛まれたりはごめんです。そうこうするうちに、スリネズミどもが完全に目を覚ましたようです。一斉にわけのわからない言葉をチューチューと叫び出し、地面がスリネズミで真っ黒になりました。
グラントは掘立小屋にたどり着くと、滑り込んで扉をバタンと閉め、掛け金をかけました。そしてニヤリと笑いました。
「やったぜ! さあ、外でわめいていろ」
スリネズミどもが外でわめいています。奴らのたわごとが、壊れた機械のようにキーキーと鳴り響きました。
オリバーですら眠たい目を開けて、その声に聞き入っていました。バカ猫は落ち着いた様子で言いました。
「きっと熱病に違いないわ」
リーはすっかり青白さが消え、白熱病のぶり返しからも回復しつつありました。
外で聞こえる大騒ぎに耳を澄ませて、彼女は言いました。
「ああ、鼠はいつだって嫌い。スリネズミはもっと嫌いよ。鼠のずる賢さと、あの不埒な悪知恵を持っているんですもの」
グラントは考え込みました。
「ああ。やつらのやることはさっぱりわからん。どっちにしろ、俺に恨みを持っているのは確かだ」
「去っていくみたいよ。音がだんだん消えていくわ」
リーが耳をそば立てながら言いました。
グラントは窓の外に目を凝らしました。
「まだいるぞ。呪いの言葉を吐き終えて、次の算段をしているところだ。一体何をするつもりか。いつかこのおかしな小衛星に人間が本格的に住みついたら、人間とスリネズミは最終的に対決することになるだろうな」
「そうかしら。あの子たち、まだそれほど文明が進んでいないから、現実的な障害にはならないわよ。そのうえ、すごく小さいもの」
「だが、奴らは学習する。学習のスピードが速いうえに、ハエのようにどんどん繁殖するんだ。もしガソリンの使い道を知ったら、もし毒矢の代わりに小型ライフルを発明したら……奴らは本当にやりかねない。もう金属を使っているし、火の扱いも知っている。攻撃が続く限り、実質的に人間と同じ脅威になるんだ。なにしろ、十五センチほどのスリネズミには、巨大な大砲もロケットも役に立たない。さらに装備の条件が同じになれば、破滅的な結果になる。人間一人とスリネズミ一匹の対決なんて、めちゃくちゃな話だ」
リーはあくびをして言いました。
「そんなのどうでもいいわ。グラント、おなかがすいた」
「いいね。白熱病が去った証拠だ。食べてから少し眠ろう。暗闇が五時間も続くからな」
「でも、スリネズミが……」
「やつらのやることはわからん。だが、たった五時間で石と木の壁を切り裂くことはできまい。ともかく、もしスリネズミが一匹でも入り込んできたら、オリバーが警告してくれるはずだ」
光が差し込み、グラントは目を覚ましました。縮こまっていた手足を二脚の椅子の間で痛そうに伸ばします。
何かの拍子で目が覚めましたが、それが何なのかはわかりません。
オリバーがそばに不安げに座っており、グラントを心配そうに見上げていました。
バカ猫がもの悲しげに声を出し、グラントが言いました。
「べらぼうたちには参るよ。お前はいい子猫ちゃんだな」
「お前もな」
とグラントは付け加えました。
何かの音で目が覚めたはずですが、一体何だったのか。
その時、気づきました。
再来襲だ。
石と木でできた床がわずかに揺れています。混乱して眉をひそめました。
地震か? いや、イオに地震はない。このちっぽけな衛星は、はるか昔に内部の熱を失っているからだ。
なら、なにが起きている?
突然、すべてを悟りました。
グラントがわっと叫んで飛び起きたので、オリバーがさっと脇によけて毒づきました。驚いたバカ猫は暖炉に飛び乗り、煙道の中へ消えていき、そのわめき声がかすかにこだましました。
「熱病に違いないわ!」
リーは寝床に座り直しているところで、眠そうに灰色の瞳をぱちぱちさせています。
グラントはリーを引っ張り上げ、叫びました。
「外へ出ろ、早く!」
「ど、どうして?」
「いいから出ろ!」
グラントはリーを扉から押し出すと、向きを変え、ベルトと武器、強心草の袋、そしてチョコレートを一箱ひっつかみました。
床が再び揺れる中、扉から脱出して大跳躍をし、ぼうっとしているリーの傍らに着地しました。
「穴を掘りやがった。あの悪魔どもが、床下に穴を……」
これ以上しゃべっている暇はありませんでした。
掘立小屋の一角が突然沈み込み、石と丸太がギシギシと音を立てて、子供の積み木小屋みたいに全体が壊れました。
崩壊は静かになり、やがて止まりました。
ただ、ガスがプスプスとくすぶり、黒い鼠どもが草原へ逃げ出し、紫色のべらぼうが一匹、廃墟の向こうでヒョコヒョコと動いているだけです。
グラントが激しく毒づきました。
「汚い悪魔め。くそったれの黒小鼠め!」
矢が非常に近くでヒュンと鳴り、グラントの耳をかすめると、リーの乱れた茶髪をツンと引っ張りました。
流血草の中ではチューチューの大合唱が響いています。
グラントが叫びました。
「早く、早く行くぞ! 奴ら、躍起になって俺たちを殺そうとしている。そっちじゃない、こっちだ。丘の方へ走れ! 密林はあっちの方が少ない」
二人なら、あのちっぽけなスリネズミから十分に逃げ切れるはずです。
しばらく走るとチューチューという声が聞こえなくなったので、立ち止まり、壊れた住処を悲しげに振り返りました。
グラントは惨めな気持ちで言いました。
「さてと、これで二人とも振り出しに戻ったな」
リーが顔を上げて言いました。
「違うわ。グラント、今は一緒よ。怖くないわ」
グラントは自信を取り戻そうとして言いました。
「何とかして、どこかに仮の小屋を立てよう。なんとか……」
その時、一本の矢がグラントの長靴に鋭くブスッと突き刺さりました。
スリネズミどもが二人に追いついたのです。
再び「馬鹿丘」へ向かって駆けていきました。ようやく立ち止まって見下ろすと、長い坂のはるか向こうにイオの密林が広がっており、そこには壊れた自分の小屋があった場所が見えました。
近くのスリネズミの町は、畑や尖塔が整然と配置されています。
だが、一息つく暇もなく、ギィー、ギィー、チュー、チューという声が藪から聞こえてきました。
二人は今、馬鹿丘の頂上へと追い込まれつつありました。
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