初級翻訳・愛と月の犬 第5話

The Creative CAT

「マダム、彼女は貴女の手に、そのまま噛み付くでしょう」

「じゃあ、そんなもの助ける必要なんてないわ!」マーサは鋭く言い放った。

チェルカソフ氏は背筋を伸ばし、ブリーフケースを叩き始めた。
「ある意味において、彼女は犬ですらありません」と、彼は話を続けた。「そうなのです」彼女は、昔ながらの狼のようなものなのです。
猫と同じですよ。
犬というものは、愛らしい生き物ですからね!」

「貴女がたのキャンペーンは、道徳的にあまり意味がないと思いませんか?」

「ええ、もちろん、その通りですとも。チェルカソフさん、あなたは私に新しい考え方を教えてくれました……まだ私にはよくわからないけれど……」

チェルカソフ氏は、慎重に一呼吸おいた。
ブリーフケースを叩くリズムが、変化した。
ポーラとモニカは息をのんで、マーサを見つめていた。

「……破壊的な狼の血が、長い時間をかけて、いったいどんな風に可愛い犬たちの中に入り込んできたのか、そのすべてが分かったとは言いません。でも……どうしてそんな混血を! 残忍そのものだわ! 白状なさい、チェルカソフさん。これって、我々を侵略するためのロシア人の手口なんでしょう? 違うかしら?」

チェルカソフ氏は茶黄色の眉を上げた。
凍るような光が、斜に構えた両眼に宿った。

「仮にそれが真実だとしても、そのようなことを認めるわけにはいかないことは、ご理解いただけるでしょう、マダム・ストーナリー」と、彼は慎重に口を開いた。

「真実なのね! クレムリンにお帰りなさい、チェルカソフさん。そしてロシア中の狼を、月に打ち込みなさいよ。犬婦連(けんふれん)は、一切口出しいたしませんから!」

チェルカソフ氏とタスの記者二人は立ち上がって、頭を下げた。
マーサも立ち上がり、彼らをドアへと案内した。
ドアノブを握って、彼女は彼らと顔を見合わせた。

「我々の会合は、歴史的なものになるでしょうね、チェルカソフさん」と彼女は言った。
「私はあなたを強いて、我々の愛する犬を崩壊させようとするあなた方の画策を暴露させてしまいました。犬婦連は即刻、強力な報復をいたしますから、そのつもりでいなさい! 覚醒したアメリカは、一気に動きますわよ。あなた方の破壊的な狼の血から、我が国の犬種を守るための隔離政策を、直ちに立ち上げますからね!」

ポーラとモニカは立ち上がり、マーサの手を固く握って、彼女の紅潮した頬に寄せた。
チェルカソフ氏は、再び頭を下げた。
マーサがドアを開けた。

「ごきげんよう、チェルカソフさん」と彼女は告げた。
「間違いなく、数日以内に粛清ですわね」

チェルカソフ氏は、注意深くドアマットを踏みしめて外へ出た。「彼女は、昔ながらの狼のようなものなのです。
猫と同じですよ。
犬というものは、愛らしい生き物ですからね!」

「貴女たちのキャンペーンは、道徳的にあまり意味がないと思いませんか?」

「ええ、もちろん、その通りですとも。チェルカソフさん、あなたは私に新しい考え方を教えてくれました……まだ私にはよくわからないけれど……」

チェルカソフ氏は、慎重にひと息つきました。
ブリーフケースを叩くリズムが変わりました。
ポーラとモニカは息をのんで、マーサのことを見つめていました。

「……破壊的な狼の血が、長い時間をかけて、いったいどんなふうに可愛い犬たちの中に入り込んできたのか、そのすべてが分かったとは言いません。でも……どうしてそんな混血を! 残忍そのものだわ! 白状なさい、チェルカソフさん。これって、私たちを侵略するためのロシア人の手口なんでしょう? 違うかしら?」

チェルカソフ氏は、茶色い眉を上げました。
冷たい光が、斜めを向いた両目に宿りました。

「仮にそれが真実だとしても、そのようなことを認めるわけにはいかないことは、ご理解いただけますよね、マダム・ストーナリー」と、彼は慎重に口を開きました。

「真実なのね! クレムリンにお帰りなさい、チェルカソフさん。そしてロシア中の狼を、月に打ち込みなさいよ。犬婦連(けんふれん)は、いっさい口出しいたしませんから!」

チェルカソフ氏とタスの記者二人は立ち上がって、頭を下げました。
マーサも立ち上がり、彼らをドアまで案内しました。
ドアノブを握って、彼女は彼らと顔を見合わせました。

「私たちの会合は、歴史的なものになるでしょうね、チェルカソフさん」と彼女は言いました。
「私はあなたを追い詰めて、私たちの愛する犬を崩壊させようとするあなた方の作戦を暴露させました。犬婦連は即刻、強力な反撃をしますから、そのつもりでいなさい! 目覚めたアメリカは、一気に動きますわよ。あなた方の破壊的な狼の血から、我が国の犬たちを守るための隔離政策を、すぐにスタートさせますからね!」

ポーラとモニカは立ち上がり、マーサの手をぎゅっと握って、彼女の赤くなった頬に寄せました。
チェルカソフ氏は、もう一度頭を下げました。
マーサがドアを開けました。

「ごきげんよう、チェルカソフさん」と彼女は告げました。
「間違いなく、数日以内に粛清ですね」

チェルカソフ氏は、足元を確かめるように慎重にドアマットを踏んで、外へ出ていきました。

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