初級翻訳・踊る一寸法師 第4話

江戸川 乱歩

「ワハハハハハハハハハ!」
一体何がおかしいのか、その燃え盛る炎の中で、お酒に酔いしれた軽業師たちがまるで狂ったように笑う声が、遠くから聞こえてきました。
見ると、テントの近くにある丘の上で、子どものような小さな人影が、月を背にして踊っていました。
その男は、スイカに似た丸いものを提灯のようにぶら下げて、狂ったように踊りまくっていました。
私はあまりの恐ろしさにその場に足がすくみ、不思議な黒い影を見つめました。
男はぶら下げていた丸いものを両手で自分の口元へと持っていきました。
そして、地団駄を踏みながら、そのスイカのようなものにガブリと噛みつきました。
彼はそれを口から離してはまた噛みつき、離しては噛みつき、まるで楽しくて仕方がないかのように踊り続けました。
水のような月明かりが、その不気味な踊り子の影法師を真っ黒に浮かび上がらせていました。
男の手にある丸いものから、そして彼の唇から、ドロドロとした濃厚な黒い液体が、ポトリ、ポトリとたれ落ちているのが、私にははっきりと見えました。

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