「これは大発見だ!
この花に、私の名前でもつけてやろう」
と喜んで、根もとからあざみの花を切ってしまいました。
学者はその花を自分の帽子にさしました。
もっとこのあたりを探せば、新しくて不思議な植物が見つからないとも限らないと、目を皿のようにして歩いていたのです。
「何か新しい発見をして、博士になってやるぞ!」
学者の目は野望に燃えていました。
ちょうどそのあとに、昨日の蝶が飛んできて、
「あの気の毒な、病気のあざみはどうなっただろう」
と、様子を見にきたのでした。
すると、無惨にも誰かにちぎられてしまっていたので、蝶はかわいそうな花の運命にかわいそうだと同情せずにはいられませんでした。
学者は都へ帰るために汽車に乗っていました。
あざみの花を散らさないようにと帽子にさしていましたが、窓にもたれかかっているうちに居眠りをしてしまいました。
花はもうすっかりしおれかかっていたので、風が吹くたびに、汽車の窓から通り過ぎる村々へと、ハラハラと散って飛んでいきました。
原因のわからない軽い熱病が村々に流行したのは、その後のことです。
しかし、日数がたつと、いつの間にかその病気も、あとかたもなく消えていったのでした。
初級翻訳・なまずとあざみの話 第2話
なまずとあざみの話
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