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江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄塔の怪人 第24話

頭に生えた恐ろしい一本の角、ギクシャクした長い足、真っ黒な背中に白いドクロ模様のある巨大なカブトムシは、おそろしい速さで部屋の中を駆け回りました。駆けるにつれて足の関節がギシギシと鳴り、ヌーッと伸びた真っ黒な長い角が、何かを突き落とすように...
江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄塔の怪人 第23話

しかし、道なき真っ暗な森の中ですから、何度も方向を間違えてしまい、ようやく鉄塔が見える場所へたどり着くまでに三十分もかかってしまいました。そこは森に囲まれた広い空き地です。闇の中とはいえ、空のほのかな明かりのおかげで、黒い巨人のような鉄の城...
江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄塔の怪人 第22話

小林君はガッカリして、運転席に座り込んだまま、しばらくは体を動かす気にもなれませんでした。山小屋の主それから小林君は自動車を降りて、そこにぼんやりと立ち尽くしたままあたりを眺めていましたが、ふと気がつくと、遠くの方にモヤモヤと動いているもの...
江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄塔の怪人 第21話

小林君は泣き出したくなるほどの苦しみでした。もう体がしびれてしまって、意識が遠くなりそうでした。それでも自動車は止まる様子がありません。それからまた長い長い時間、揺れに揺れたうえ、やっと目的地に達したらしく、ピタリと止まったまま動かなくなり...
江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄塔の怪人 第20話

そして、その不気味な口に手をかけてグイと開くと、中へ片手を突っ込んでしばらく何かを探っていましたが、やがてそこから小さな機械のようなものを取り出しました。その機械には長いひもがついていて、口の中からズルズルと引き出されてきたのです。「これで...
江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄塔の怪人 第19話

おじさんは、ひどい目にあったのだ。それどころではないのだ。賢二という、きみとよく似た子どもを、さらわれてしまったのだからね。」高橋さんは、くやしそうにいいました。こんなによく似た身代わりさえいなければ、だまされはしなかったのにと、この少年が...
江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄塔の怪人 第18話

さっきからお父さんの姿を見ていたのでしょうが、立ち上がることも声を出すこともできないのです。たった一日の間に、なんだかひどく痩せたように見えます。「さあ、ここに約束の一千万円を持ってきた」「これをやるから、早く賢二の縄を解いてくれ。」「よし...
江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄塔の怪人 第17話

そして、あなたが賢二君を取り戻すのを確かめたうえで、怪人団を周りから囲んで捕らえてしまいます。お金も取り返します。しかし、お金は偽物ではいけません。相手も十分用心しているでしょうから、偽物と気づかれたらおしまいです。やはり、ご面倒でも本当の...
江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄塔の怪人 第16話

犯人は電話機を持って逃げましたが、電線はそのままにしておいた。後になって秘密がバレても、犯人には何の痛手もないですからね。つまり、犯人の一人がこの小屋に隠れて、あなたが警視庁へ電話をかけるのを待ち構えていたのです。ダイヤルをどこへ回そうが、...
江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄塔の怪人 第15話

いくら魔法使いのような犯人でも、ダイヤルで自動的につながる電話を外からどうこうできるはずがありません。まったく不可能なことです。これが第一のふしぎです。第二のふしぎは、いつのまに、どうやって賢二君をさらっていったか、ということです。あれが偽...
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