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江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄塔の怪人 第14話

四人は高橋さんから一切の様子を聞き取ると、まず二階の広間から始めて、家の中はもちろん、庭の隅々までくまなく調べ回りました。しかし、どこにも怪しい人間は発見されませんでした。「裏庭に妙な足跡があります。人間の足跡ではありません。大きなカブトム...
江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄塔の怪人 第13話

息を切らして駆け込んできた二人の少年の話を聞き、お父さんや書生たちがその街角へ駆けつけて探しましたが、あの怪しいじいさんも箱車も、どこへ行ったのか影も形もありませんでした。賢二君たちは幻を見たのでしょうか。それとも、あのじいさんは本物の魔法...
江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄塔の怪人 第12話

新聞に出ていたでしょう。カブトムシの怪物団は、高橋賢二という少年を、どこかの山の中にある鉄塔の国へさらっていこうとしたのです。それをぼくが邪魔をして取り戻したものですから、彼らはぼくに仕返しをしたんです。昨日の夜、町を歩いていると、誰かが後...
江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄塔の怪人 第11話

あれを何だと思う?」ずっと向こうの街角のぼんやりとした街灯の下に、何人かの人影が見えます。先頭に立っているのは小さな子どもです。その後に制服の警官が一人、二人、三人……まだまだ大勢が続いているように見えます。遠くてよくわかりませんが、先頭に...
江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄塔の怪人 第10話

丈夫な黒い絹糸を何十本も縒り合わせて、四十センチぐらいの間隔で大きな結び目がいくつもついているものなのです。「ぼくらをここに落とした悪者は、もう出かけたに決まっています。上には誰もいません。ぼくが先に登りますから、広田さんもすぐあとから来て...
江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄塔の怪人 第9話

しかし、手をかけたかと思うと、探偵はハッとしたように厳しい顔つきになりました。「賢二君、ちょっとそちらを向いてごらん。きみの背中に、なんだか這っているよ」賢二少年が気持ち悪そうにして後ろを向くと、その学生服の背中に、黒くて大きな虫がモゾモゾ...
江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄塔の怪人 第8話

先生は悪人を捕らえるために、この落とし穴を作っておかれたのです。それをあべこべに、敵に利用されたのですよ」「それじゃあ、本物の明智さんはどこにおられるのだろう。まさか、明智探偵まで敵のとりこになったのじゃあるまいね」「二、三日旅行中なのです...
江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄塔の怪人 第7話

今日は遠くへ使いに行っていて留守です。先生の奥さんも女中を連れてお出かけで、うちには先生とぼくとふたりきりですよ。ぼくは近ごろ先生の助手になった近田という者です。これでも名探偵のたまごですよ」と、この青年、なかなかの話し好きです。やがて書斎...
江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄塔の怪人 第6話

広田はドアのそばに近づきました。しかし、それを開くのにはよほどの勇気がいります。彼はそこに立ちすくんだまま、しばらくためらっていました。するとそのとき、そのドアがひとりでに、すこしずつ開きはじめたではありませんか。中から開いているのです。そ...
江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄塔の怪人 第5話

机の下や引き出しの中まで調べてみましたが、一匹も見つかりません。まるで幽霊のように消え失せてしまったのです。あとでそのことをふたりがお父さんに話しますと、お父さんの太一郎さんは変な顔をして考え込んでおられました。いよいよあの村瀬という男が、...
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