中 勘助

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中 勘助

初級翻訳・銀の匙 第27話

何かの縁で地獄の道連れとなってしまったこの人を「兄さん」と呼ぶように、子供の憧れが空をめぐる冷たい石を「お星さん」と呼ぶのが、そんなに悪いことだったのでしょうか。五ある時、これも教育という名目で、海岸へ連れて行かれたことがありました。兄は、...
中 勘助

初級翻訳・銀の匙 第26話

彼はふくよかな丸顔の頬についた、そら豆くらいの大きさのほくろを看板にして、学校中の人気者になっていましたが、人が面白半分に「蟹本さん、ほっぺたに墨がついているよ」と言うと、「ふ、ふ、ふ」と笑って、「すーみーじやーなーいーんーだ。ほーくーろー...
中 勘助

初級翻訳・銀の匙 第25話

すると、ほかの者もてんでに、「獅子の毛だ」「獅子の毛だ」と言います。バカ者たちは、初めて見た獅子の毛――それもたぶん間違いなのだろうが――に見とれていて、ほかのことは何ひとつ覚えてはいないのです。そんなふうに根掘り葉掘りたずねる私をさんざん...
中 勘助

初級翻訳・銀の匙 第24話

伯母さんは家中のガラクタを持ち寄って、貝細工の屏風を立て回したり、千代紙のお三方にちりちりを盛ったりして調度の足りないところを補い、子供の目にはさも立派なお雛様に見えるようにうまく作ってくれるのです。緋色の毛氈(もうせん)を敷いた壇の上にき...
中 勘助

初級翻訳・銀の匙 第23話

それからおけいちゃんは、ぱったり来なくなりました。たまに顔を合わせても、にこりともせずに隠れてしまいます。富公が意地悪をしたのだ――そう思えば、私は小さな胸に煮えくり返るほどの嫉妬と憤怒を覚えずにはいられませんでした。学校でも彼はみんなをけ...
中 勘助

初級翻訳・銀の匙 第22話

生徒らは思いのほかな話し手の態度に魅せられ、珍しく面白い話に引き込まれて、いつとはなしに鳴りを静めていました。話が済んだときに先生は、「今日は男の子のほうはみんなよく話したのに、女の子はひとりも出なかったから負けのはずだったが、今の(おけい...
中 勘助

初級翻訳・銀の匙 第21話

あまりに大人びて几帳面に詫びられたので、こちらはかえってどぎまぎしてしまいましたが、こんなに人に気を遣わせるほど悩ませたのかと思えば、なんだか面憎くもなり「あんなにあやまるのではなかった」と思いました。おけいちゃんは、昨日あれから家に帰って...
中 勘助

初級翻訳・銀の匙 第20話

おけいちゃんは、誰が自分を助けてくれているのかも分からず、悔しそうにしゃくりあげながらされるがままになっていました。しかし、ようやく涙を止めて「一体誰かしら?」というように袖の陰から顔を覗かせたとき、とても嬉しそうにニッコリと笑いました。長...
中 勘助

初級翻訳・銀の匙 第19話

四十二ある日のこと、私はおけいちゃんがお祖母様に連れられて学校へ入ってくるのを見て、今さらながらに胸をときめかせました。その翌日から、おけいちゃんは包みを抱えて教室へ入るようになりましたが、新入生なので、一番前の私の隣に座らせられました。私...
中 勘助

初級翻訳・銀の匙 第18話

そうしたら彼がいきなり私のすねを蹴ったので、私も負けずに横腹を突いてやりました。そんなふうに内緒で喧嘩をしているうちに、とうとう先生に見つかってしまい、授業が終わってから二人だけ残されました。先生はいつになく怖い顔をして「なぜ喧嘩をしたんだ...
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