坂口 安吾

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坂口 安吾

初級翻訳・神サマを生んだ人々 第5話

「とにかく、ボクも一応は管長ですからね。教祖さまと違って、ボクには体に備わっているような霊の力なんかないものですから、外見をちゃんとしたりして苦労するんですよ――」この頭だって、毎日バリカンを当てて、フケひとつないようにゴシゴシと磨いている...
坂口 安吾

初級翻訳・神サマを生んだ人々 第4話

あの夫人にはたしかに妙な霊力があるし、それに管長が若年に似ず商売熱心なんだね。教祖が直接患者を診察するのは一度だけで、あとは管長その他が代診するらしいが、ボクの娘の場合で言うと、治るまで管長が毎日欠かさず水行(みずごり)を取りに来てくれたぜ...
坂口 安吾

初級翻訳・神サマを生んだ人々 第3話

その代わりと言ってはなんですが、あなたと彼女の関係をきっぱり清算して、これからは旦那ヅラをしないという一札を書いていただきたいんですがね」 安福軒は面白そうに日野くんの顔をじっと観察していた。この日野くんという男は当時三十歳。呉服屋の手代と...
坂口 安吾

初級翻訳・神サマを生んだ人々 第2話

今までの恩返しとして、これ以上多くのことはしなくていいから、それなりの手切れ金をもらって、そのお金を持って出ていけと言うんです。誰かの二号にしていただかないと、もう我慢ができません」 女は思いつめているせいか、いっそう表情をなくし、おいおい...
坂口 安吾

初級翻訳・神サマを生んだ人々 第1話

二号の客引き 大巻(おおまき)博士が、どうしたものかと頭を抱えながら、温泉の街の海岸通りを歩いていると、ポンと背中をたたかれた。「大巻先生じゃありませんか!」 振り返ってみると、五十歳くらいで、まるで俳句の先生のようなシブい格好をした人物が...
坂口 安吾

初級翻訳・曽我の暴れん坊 第5話

食うことと、立ち回りの稽古と、寝ることのほかには何も考えていません。例の道案内の白拍子・念々(ねんねん)は、すっかり腹を立ててこう言いました。「ねえ、アンタ。ここをどこだと思うんだい。ここは遊女を呼ぶところだよ、特飲(とくいん)なんだよ!料...
坂口 安吾

初級翻訳・曽我の暴れん坊 第4話

いつも女が後になってからオレに知れるが、今度は先によりも先に知れたからね」「客席に出るのが辛いから早く結婚してくれと、実は目下せがまれていてな」「もう分かったよ」「どうもお前は木石のようでいかんな」大磯の宿へ入ってくると、十郎を認めて駆け寄...
坂口 安吾

初級翻訳・曽我の暴れん坊 第3話

なんと卑怯な真似をしてくれたものだ!さあ、男らしく正々堂々と勝負しろ!」「拙者にはある重大な事情があって、今はどうしても命が惜しい身でござる。お怒りはごもっともですが、どうか平に御容赦願いたい!」「どんな事情があるのか知らんがね、こっちの事...
坂口 安吾

初級翻訳・曽我の暴れん坊 第2話

当時は豪傑ばかりの時代だったので、女の子たちは猛々しい男たちにちょっと食傷気味(うんざり)だったのか、どこへ行っても十郎は大人気です。 そのうえ、十郎は子供のころから風流を解し、情に厚くてロマンチックなところがあったので、どういうわけかいつ...
坂口 安吾

初級翻訳・曽我の暴れん坊 第1話

出家の代り元服して勘当のこと ある朝、曾我の太郎が庭へ出てみると、大切にしている桜の若木がスッポリと切り倒されていました。「いったい誰のイタズラかな」 しかし、切り口を見てみると、太郎はびっくり仰天しました。直径二寸五分(約七センチ)ほども...
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