宮沢 賢治

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二十六夜

初級翻訳・二十六夜 第2話

中でもその家の親子二人は、子どもはまだ六つにもならず、母親もこの大飢饉では食べ物を手に入れるすべもなく、明日にも二人そろって餓死するのは目に見えていました。そのとき疾翔大力さまは、上から様子を見ていて、あまりのことにしばし途方に暮れましたが...
二十六夜

初級翻訳・二十六夜 第1話

旧暦の六月二十四日の夜のことでした。北上川の水は、黒い寒天よりももっと滑らかに光り、獅子鼻(ししばな)という場所は、かすかな星の明かりの下で真っ黒に突き出ていました。獅子鼻の上の松林は、もちろん言うまでもなく真っ黒でしたが、それでも林の中に...
宮沢 賢治

初級翻訳・水仙月の四日 第3話

そして、毛皮を着た人は一生懸命に走ってきました。
宮沢 賢治

初級翻訳・水仙月の四日 第2話

聞こえてくるのは、雪婆んごがあちこちを飛び回って叫ぶ声、お互いの革むちの音、そして雪の中を駆け回る九匹の雪狼たちの息の音だけ。その音の中に、雪童子はふと、風に消されそうな、さっきの男の子の泣き声を耳にしました。雪童子の瞳が、少し変な光を放っ...
宮沢 賢治

初級翻訳・水仙月の四日 第1話

雪婆んごは、ずっと遠くへ出かけていました。猫のような耳をして、ぼんやりとした灰色の髪をした雪婆んごは、西の山並みの、ちぢれてギラギラ光る雲を越えて、遠い場所へ旅をしていたのです。ひとりの男の子が、赤い毛布にくるまって、頭の中は「カリメラ(砂...
宮沢 賢治

初級翻訳・祭の晩 第2話

家に帰って、厩(うまや)の前から中に入ると、おじいさんがたった一人でいろりに火を焚き、枝豆を茹でていました。亮二は急いでおじいさんの向かい側に座り、さっきの出来事を全部話しました。おじいさんは最初は黙って亮二の顔を見ながら聞いていましたが、...
宮沢 賢治

初級翻訳・祭の晩 第1話

山の神さまのお祭りの秋の夜のことでした。亮二(りょうじ)は、新しい水色のしごきをきゅっと締めて、お小遣いの十五銭を握りしめ、お旅屋(おたびや)へ出かけました。「空気獣(くうきじゅう)」という見世物小屋が、ものすごい大繁盛です。小屋の幕の前で...
宮沢 賢治

初級翻訳・貝の火 第6話

ホモイのお父さんが、ただの白い石のようになってしまった「貝の火」を取り出して、「もう、このような状態なのです。どうか、たくさん笑ってやってください」そう言ったとたん、貝の火は「カチッ」と鋭い音を立てて二つに割れました。かと思うと、「パチパチ...
宮沢 賢治

初級翻訳・貝の火 第5話

しかしどうです、すぐご機嫌が直ったでしょう? 今日は一つ、うんと面白いことをやりましょう。動物園はお好きですか?」ホモイが「うん、嫌いじゃないよ」と答えると、キツネは懐から小さな網を取り出しました。「いいですか、これに網をかけておくと、トン...
宮沢 賢治

初級翻訳・貝の火 第4話

これは『天国の天ぷら』というものですよ。最高級品です」そう言いながら、キツネは盗んできた角パンを差し出しました。ホモイが少し食べてみると、これが本当にもう、たまらなくおいしいのです。そこでホモイが「こんなものは、どの木にできるんだい?」とた...
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