宮沢 賢治

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宮沢 賢治

初級翻訳・洞熊学校を卒業した三人 第3話

特に狸は、なめくじの話が出るといつでも「ヘン」と笑って言いました。「なめくじのやりくちなんてまずいもんさ。あの不器用な加減は見られたもんじゃない。」「あんなやりかたで大きくなってもしれたもんだ。」なめくじはこれを聞いていよいよ怒り、早く名誉...
宮沢 賢治

初級翻訳・洞熊学校を卒業した三人 第2話

二百匹の子供は百九十八匹まで蟻(あり)に連れて行かれたり、行方不明になったり、赤痢(せきり)にかかったりして死んでしまいました。けれども子供たちは、どれもあんまりお互いに似ていましたので、親蜘蛛はすぐ忘れてしまいました。そして今はもう、網は...
宮沢 賢治

初級翻訳・洞熊学校を卒業した三人 第1話

赤い手が長くて不気味な蜘蛛と、銀色に光るなめくじ、そして一度も顔を洗ったことがないという狸。この三人が、あるとき一緒に「洞熊学校」に入学しました。洞熊(ほらぐま)先生が教えることは、たったの三つ。一年生のときは、うさぎと亀のかけっこのお話と...
宮沢 賢治

初級翻訳・氷河鼠の毛皮 第3話

落ちたのはただの黄色の外衣だけでした。と思ったら、あの赤ひげがもう足をすくわれて倒され、青年は肥った紳士をまた車室の中に引っ張り込んで、右手には赤ひげのピストルを握って凄い顔をして立っていました。赤ひげがやっと立ち上がりましたら、青年はしっ...
宮沢 賢治

初級翻訳・氷河鼠の毛皮 第2話

紳士はそこで、ウイスキーの小さなコップを十二杯ほど一気に飲んだので、すっかり酔いが回り、目を細めて唇をなめながら、周りの人たちに手当たり次第に絡み始めました。「おい、君。これは氷河鼠の首の毛皮だけを使ったものなんだぜ。ええ、氷河鼠の上等なや...
宮沢 賢治

初級翻訳・氷河鼠の毛皮 第1話

このおはなしは、ずっと北の方の、とても寒い場所から、バラバラに風に吹き飛ばされてやってきたものです。氷がヒトデやクラゲ、あるいはさまざまなお菓子の形をしているほど寒い北の方から、飛んできたのです。十二月二十六日の夜八時、ベーリング行きの列車...
宮沢 賢治

初級翻訳・気のいい火山弾 第2話

これからは、そっちをおやり。ね、そら、お空。お空。お空のちちは、つめたい雨の ザァザザザ、かしわのしずくトンテントン、まっしろきりのポッシャントン。お空。お空。お空のひかり、おてんとさまは、カンカンカン、月のあかりは、ツンツンツン、ほしのひ...
宮沢 賢治

初級翻訳・気のいい火山弾 第1話

ある死火山のふもと、かしわの木のかげに、「ベゴ」という名前で呼ばれる大きな黒い石が、長いあいだじっと座っていました。「ベゴ」という名前は、そのあたりの草むらに散らばっている、角(かど)があってあまり大きくない黒い石たちがつけた名前でした。本...
宮沢 賢治

初級翻訳・毒もみのすきな署長さん 第2話

「あなた? やっぱりそうでしたか」「そうです」「それならもう確実ですね」「確実ですとも」署長さんは落ち着いて、テーブルの上の鐘を一つ「カーン」と鳴らし、赤ひげの生えた第一等の探偵を呼びました。さて、署長さんは縛られて裁判にかけられ、死刑とい...
宮沢 賢治

初級翻訳・毒もみのすきな署長さん 第1話

四つのつめたい谷川が、カラコン山の氷河から流れ出し、ごうごうと白い泡を立てながらプハラの国へと流れ込んでいました。この四つの川はプハラの町で合流し、一つの大きくて静かな川になりました。普段、その川の水は透き通っていて、淵には雲や木々の影が映...
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