宮沢 賢治

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宮沢 賢治

初級翻訳・蛙のゴム靴 第2話

「おいカン君、お嬢さんが君に決めたってさ。」「何をさ?」カン蛙はけろんとした顔つきでこちらを向きました。「お嬢さんがお前さんを連れていくそうだよ。」カン蛙は急いでこちらへやってきました。「お嬢さん今晩は、僕に何か用があるんですか。なるほど、...
宮沢 賢治

初級翻訳・蛙のゴム靴 第1話

松の木や楢(なら)の木の林の下を、深い堰(せき)が流れていました。岸には茨(いばら)や露草(つゆくさ)や蓼(たで)がびっしりと茂り、その露草が十本ほど集まっているあたりの下に、カン蛙(がえる)の家がありました。それから、林の中の楢の木の下に...
宮沢 賢治

初級翻訳・虹の絵の具皿 第4話

「ほろびのほのお 湧きいでて つちとひととを つつめども こはやすらけき くににして ひかりのひとら みちみてり ひかりにみてるあめつちは …………………」急にその声がどこか別の世界にいってしまったかのように、すっかり聞こえなくなってしまい...
宮沢 賢治

初級翻訳・虹の絵の具皿 第3話

それから、ハチドリたちはだんだんとゆっくり飛ぶようになって、「ザッザザ、ザザァザ、ザザァザザザァ、やむならやめやめ、お天気雨!空はみがいたターコイズ(トルコ石)!」と歌うと、雨はぴたりとやみました。最後のおしまいの二粒ほどのダイヤモンドが、...
宮沢 賢治

初級翻訳・虹の絵の具皿 第2話

そして二人はどこまでもどこまでも、ふかふかしたモコモコのコケや、ヒカゲノカズラの草を踏みしめながら、森の奥深くへと進んでいきました。森の木々が重なり合って薄暗いのもありましたが、それだけでなく、どうやら空そのものまで暗くなってきたようでした...
宮沢 賢治

初級翻訳・虹の絵の具皿 第1話

昔々のこと、霧が深くたちこめる、ある朝の出来事です。王子様は、周りの誰もがいなくなったほんの少しのすきを見ははかって、ガラスで組み立てられた自分のお部屋から、ひょいっと芝生へ飛び下りました。そして、ハチドリのかざりがついた大きな青い帽子を急...
宮沢 賢治

初級翻訳・烏の北斗七星 第2話

「おれは明日、戦死するんだ……」大尉はブツブツとつぶやきながら、許嫁(いいなづけ)のいる森の方へと頭を向けました。そのコンブのように黒くなめらかな木の梢(こずえ)の中では、あの声のきれいな若い砲艦が、次から次へといろいろな夢を見ているのでし...
宮沢 賢治

初級翻訳・烏の北斗七星 第1話

冷たくていじのわるそうな雲が、地面すれすれまで低くたれこめました。そのため野原は、雪のあかりなのか、お日様のあかりなのか、区別がつかないくらいぼんやりとしてしまいました。カラスの義勇艦隊(ぎゆうかんたい)は、その雲に押しつけられるようにして...
宮沢 賢治

初級翻訳・火の島 第1話

火の島宮沢賢治海の地鳴りがゴロゴロと響きわたる日は、船もぜんぜん近づいてこないけれど、火山は真っ赤に、ものすごい勢いで燃え上がって、その上を雲がぐんぐんと流れていく。海の大きな音が押し寄せてくるツバキの林の中で、ぼくは一日中、せっせとユリの...
宮沢 賢治

初級翻訳・洞熊学校を卒業した三人 第4話

狸が言いました。「それはな、じっとしていることだ。な。わしはお前の牙を抜くぞ。この牙でどれほどものの命を奪ったことか。恐ろしいことだ。な。お前の目をつぶすぞ。な。この目でどれほどのものを睨み殺したことか、恐ろしいことだ。それから……なまねこ...
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