宮沢 賢治

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宮沢 賢治

初級翻訳・月夜のでんしんばしら 第1話

ある晩、恭一(きょういち)は草履(ぞうり)を履いて、すたすたと鉄道の線路の横の平らな道を歩いていました。本当を言うと、こんなところを歩くのは絶対に罰金です。おまけに、もしも突然汽車がやってきて、窓から長い棒でも突き出していたら、一撃でなぐり...
宮沢 賢治

初級翻訳・月夜のけだもの 第2話

お前は無罪だ! あとでごちそうに呼んでやろう」ここでキツネが口を出しました。「大王様! こいつはウソつきです。立ち聞きをしていたんです! 寝ていたなんてウソに決まっています。ごちそうようなんてとんでもありません!」タヌキはカッとなって腹鼓を...
宮沢 賢治

初級翻訳・月夜のけだもの 第1話

十日の月が西のレンガ塀にかくれるまで、もう一時間しかありませんでした。その青白い月の光を浴びながら、ライオンはオリの中をのそのそと歩いていましたが、ほかの獣たちは、頭をまげて前のあしに乗せたり、横にごろっと横たわったりして静かに眠っていまし...
宮沢 賢治

初級翻訳・星めぐりの歌 第1話

赤いおめめの さそりさん大きく広げた ワシのつばさ青いおめめの 子犬(こいぬ)さん光るヘビのとぐろの形(かたち)オリオンは空の高くで歌いながらつゆやしずくを 地上に落とすアンドロメダの雲の群れはまるで大きなお魚の口のかたちおおぐまの足先から...
学者アラムハラドの見た着物

初級翻訳・学者アラムハラドの見た着物 第3話

家来や国民は、はじめのうちはがまんしていたけれども、ついに国までほろびそうになったので、大王を山へ追い出してしまった。大王は、お妃さまと二人の王子・王女の、ただ四人だけで山へ行かれた。大きな林に入ったとき、王子たちは林の中の高い木の実を見て...
学者アラムハラドの見た着物

初級翻訳・学者アラムハラドの見た着物 第2話

ああ、ただもう一度、自分の二本の足でぴんぴん歩いて、あの楽園の中の泉まで行き、あの冷たい水を両手ですくって飲むことができたら、そのまま死んでしまってもかまわない、その人はきっとそう思うだろう。また、お前が答えたように、人はものを言わないでい...
学者アラムハラドの見た着物

初級翻訳・学者アラムハラドの見た着物 第1話

大むかし、アラムハラドという名前の学者が、ある年に十一人の子どもたちを教えていました。みんな、立派なおうちの子どもたちばかりでした。王さまのすぐ下の裁判官の子もいれば、農商の大臣の子もいました。それから、毎年自分の土地から十石もの香油がとれ...
土神と狐

初級翻訳・土神と狐 第4話

樺の木はまた何とか返事をしようとしましたが、やはり何かがとても重苦しく、わずかに吐息をつくばかりでした。そのときです。狐がやって来たのです。狐は土神がいるのを見ると、ハッとして顔色を変えました。けれども、今さら引き返すわけにもいかず、少し震...
土神と狐

初級翻訳・土神と狐 第3話

土神はそれを見て、また大きな声で笑いました。その声はまた青空の方まで届き、途中からバサリと樺の木の方へ落ちました。樺の木はまたハッとして葉の色を変え、見えないくらい細かく震えました。土神は自分の祠のまわりをウロウロと何度も歩き回ってから、や...
土神と狐

初級翻訳・土神と狐 第2話

たとえば秋のキノコのようなものは、種もなしに全く土の中から出てくるだけなのに、それにもやっぱり赤や黄色といった色がある。わからんねえ」「狐さんにでも聞いてみたら、いかがでございましょう」樺の木は、うっとりと昨夜の星の話を思い出していたので、...
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