小川 未明

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小川 未明

初級翻訳・風ふき鳥 第1話

風ふき鳥よ、お前は飛んでどこへ行くのか。海は荒れ狂っているぞ。どうして鳴くのか。かあかあ、と。山も荒れ狂っているぞ。あんなに高く、あんなに低く、後になったり、先になったり。みんなから嫌われて、泣きながら、鳴きながら、飛んでいく。黒い着物を着...
小川 未明

初級翻訳・風と木 からすときつね 第2話

そっくりそのまま、地面の上に残っています」 きつねは、自分たちが秋から冬になるまでの間、畑の積み藁(わら)の中で眠っていたことがあり、やがて雪が降ってその藁を埋めると崖の穴に移り、翌年雪が消えたころに元の藁のあたりへ行ってみると、藁はそのま...
小川 未明

初級翻訳・風と木 からすときつね 第1話

風と木 どこまでも広い野原は、真っ白な雪におおわれていました。冷酷な風が、まるで自分の庭だとでもいうように、朝から晩まで野原の上を吹き荒れています。その冷たい風に邪魔をされて、木の枝は、少しもじっとして落ち着くことができません。何度も激しく...
小川 未明

初級翻訳・頭をはなれた帽子 第1話

三郎は、道ばたで犬と遊んでいるとき、ふと思いついて自分のかぶっていた帽子を脱ぎ、それを犬の頭に乗せてやりました。ポチは、急に目が隠れてしまったので、びっくりしてあとずさりをしました。それに、ご主人様の大事な帽子を汚したり傷つけたりしてはいけ...
小川 未明

初級翻訳・青い草 第2話

「兎追いしかの山 小鮒釣りしかの川」「夢は今もめぐりて 忘れがたき故郷」道を急ぐ人々の中には、立ち止まってじっと耳を澄ます青年がいました。また、一人の女の人もいました。その人たちは、歌が終わるまでずっと聞き入っていました。「志をはたして い...
小川 未明

初級翻訳・青い草 第1話

小さな姉と弟は、お父さんの目がだんだん見えなくなっていくことに、とても不安を感じていました。「お父さん、あのカレンダーの字、もう読めないの?」と、壁の方を指さして聞いたのは、少し前のことです。お父さんが会社を辞めてからというもの、家の中はま...
小川 未明

初級翻訳・青い花の香り 第1話

のぶ子という、とてもかわいらしい女の子がいました。「のぶ子や、おまえが五つ、六つのころ、とってもかわいがってくださったお姉さんのことを忘れてしまったの?」お母さまにそう言われて、のぶ子はなんだか悲しい気持ちになりました。月日は、まるで音もな...
小川 未明

初級翻訳・青い石とメダル 第2話

そして、野ばらの咲く里川でその石を洗ったのです。石は水に濡れると、空の色よりももっと深い青色をしていました。青い石は勇ちゃんと一緒に、暗くて長いトンネルを汽車で通り、知らない遠い町へやってきました。そして、知らない町の空の下で、じっと太陽を...
小川 未明

初級翻訳・青い石とメダル 第1話

「犬ころし」がやってくるという噂が広まると、犬を飼っている家の人たちは、「かわいい犬を連れて行かれたら大変だ!」と大慌て。役所へ行って「畜犬票(ちくけんぴょう)」という登録の札をもらい、犬の首輪につけてあげました。でも、一番かわいそうなのは...
小川 未明

初級翻訳・青い玉と銀色のふえ 第1話

北のさびしい海のほとりに、なみ子の家はありました。ある年、まずしい漁師であったおとうさんがふとした病気で亡くなると、つづいておかあさんも、あとを追うようにして天国へ旅立ってしまいました。もともと貧しい暮らしでしたから、娘のなみ子に残されたも...
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