江戸川 乱歩

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江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第22話

ただ、ずっと向こうの方からボロボロに破れた服を着た、こじきのような三十歳くらいの男がフラフラと歩いてくるのが見えるばかりです。「オイ、この自転車、きみが乗っていたのか?」 運転手はそのこじきが近づくのをまって、どなりつけました。「おれじゃね...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第21話

それじゃあ、これからきみのほうへ出かけよう」 中村係長から捜査本部へ来てほしいという電話だったのです。明智は話し終わって外出の支度を始めたのですが、三分もたったかと思うころ、卓上電話がまたしてもけたたましく鳴り響きました。再び受話器を耳にあ...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第20話

それが動いていないというのですから、怪人はここを通らなかったと考えるほかありません。 では、あいつは大友少年をかかえたまま、まだ洞窟の中にひそんでいるのでしょうか。「ふしぎだなあ。あんなにさがしても、どこにも人のいる気配はなかった。いったい...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第19話

」 大友君の声が、そう答え、指のつめで、コツコツと、鉄ごうしを、たたいてみせました。「ぼくは、ねむっているあいだに、四角なメガネをかけた老人のために、透明人間にされてしまったんだ。そして、はだかにされて、ここへ、とじこめられたんだよ。」 い...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第18話

れいの原っぱの防空ごうの前に、ものものしい警官隊がおしよせていました。先頭には、この洞窟を発見した案内役の少年のひとりと、小林団長、つづいて、中村捜査係長と黒川記者、そのあとに六人の警官が、武装に身をかためて、したがっています。洞窟のやみの...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第17話

老人はそのローソクを手にもち、どこともしれず、たちさってしまいました。大友少年は、ローソクのなくなった、まっくらやみの中で、つめたいコンクリートのゆかに、うずくまっていました。なんともいえない、さびしさと、かなしさに、うちひしがれて、うずく...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第16話

そして、この大発明を手伝う気にはならないかね」「それには、どうすればいいんですか」大友君は、おそるおそる尋ねました。「きみが、透明人間第四号になってくれればいいんだよ」老人は相変わらずニコニコしながら、ギョッとするようなおそるべきことを言う...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第15話

そのそばには、やはり白く塗られた大きなガラス戸の棚があり、何段にもなったガラスの棚の上に、ピカピカ光るナイフやハサミなど、気味の悪い外科手術の道具のようなものが数え切れないほど並んでいます。また、別の一角には大きな台があり、その上に化学実験...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第14話

それなのに、まるでそこに手があるかのように、パジャマのそでがヒラヒラと動いています。ベッドのそばには、白くぬった小さなまるいテーブルがありました。首のないパジャマの男は、そのそばに近づきました。大友君の目は男のあとを追って、テーブルのほうに...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第13話

大友君がそうして屋根の上にひらぐものようすがりついたときには、自動車はもう走り出していたのです。自動車は交番をさけて、暗い町から暗い町へと、三十分あまりも走りました。怪人物も運転手も、自分たちのすぐ頭の上に少年探偵団の副団長がつきまとってい...
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