江戸川 乱歩

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江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第12話

黒いズボンが何かに持ちあげられるように地面からスルスルとあがってグニャグニャ動いていたかと思うと、ひとりでシャンと立ったのです。つまり、ちょうど人間がズボンをはいたようなかたちに、二本の足で立っているのです。立っているばかりではありません。...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第11話

八つの目が、金庫のとびらを、くいいるようににらみつけていました。 島田少年は、そうしてじっとみつめていると、何かもうろうとした人の姿が、金庫のそばに立っているように感じました。「オヤッ。」と思って見なおすと、もう何も見えません。 気のせいだ...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第10話

そこはひとりがやっと通れるほどの狭いコンクリートの階段になっていて、それを六段ほどおりると、金庫の前に出ました。上下四方とも厚いコンクリートでかこまれた、四畳じきほどの地下室です。もちろん、そこの天井にも電灯がついています。「さあ、ここです...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第9話

」「なるほど、それだけ厳重になっていれば、大丈夫でしょう。あなたの書斎の上げ蓋を、当分開けないことですね。あいつは、目には見えないけれども、幽霊とはちがって体があるのですから、入り口が閉まっていれば、入ることはできません。しかし、あいつはな...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第8話

きみの家にはきっと、あいつが欲しがっている何かがあるんだよ」「うん、そう言えばお父さんも、なんだかそんなことを言ってたっけ。でも、ぼくにはくわしく教えてくれないんだ。うちにはどうやら、あいつにねらわれるような秘密のものがあるらしいんだけどさ...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第7話

しばらく使わないで、お座敷の縁の下においてあったのですが、いま見ると、そのローラー・スケートがしばふのまんなかに、ならんでいるのです。いや、そればかりではありません。それが、ひとりで動いているのです。ちょうど人間が足にはめているように、たが...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第6話

やっと気をとりなおしたふたりの店員は何かわけのわからぬさけび声をたてて人形のあとを追いました。怪物は通路を右に右に左にとまがりながら、ひじょうな早さで走っていきます。だれもとめるものはありません。ろう人形の顔を一目見ると、あまりのおそろしさ...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第5話

きみたちは知るまいが、あの仏像は推古仏といって、百万円の首飾りよりも、もっとねうちのある品物なんだよ。だが、ぼくはとうとう、あいつを、たしかめることができた。いままでは、もやのようなものしか見えなかったが、きょうこそは、あいつが、服をぬぐと...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第4話

するとそこへ、こわい顔をした不良青年みたいなやつがやってきて、靴をみがかせた。靴みがきのかわいい少年は、いっしょうけんめいにブラシを動かして、青年の靴をピカピカに光らせた。やがて青年はポケットに手をつっこんで、『細かい持ち合わせがないから、...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第3話

消えたかと思うと、とつぜん、穴のそとから「ギャッ!」という、ふしぎなさけび声がして、何か物のぶっつかるような、はげしい音がきこえてきました。それから、しばらく、あたりはシーンと、しずまりかえっていましたが、見ると、そのかべの穴から、ニューッ...
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