江戸川 乱歩

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江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第2話

生け垣は身を隠すのに都合が良いけれど、寂しさは増すばかりです。ところが、その頃になって、もう一つ不思議なことが起こりました。尾行者がひとり増えたのです。ふたりの少年は少しも気づきませんでしたけど、少年たちの二十メートルほど後ろから、ひとりの...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第1話

ろう人形 そのふたりの少年は、あんなに恐ろしい目にあったのは、生まれてはじめてのことでした。 春の初めのある日曜日、小学校六年生の島田君と木下君は、学校の先生のおうちへ遊びに行っていろいろ面白いお話を聞き、夕方になってやっと先生のおうちを出...
江戸川 乱歩

初級翻訳・踊る一寸法師 第4話

「ワハハハハハハハハハ!」一体何がおかしいのか、その燃え盛る炎の中で、お酒に酔いしれた軽業師たちがまるで狂ったように笑う声が、遠くから聞こえてきました。見ると、テントの近くにある丘の上で、子どものような小さな人影が、月を背にして踊っていまし...
江戸川 乱歩

初級翻訳・踊る一寸法師 第3話

刀が一刺しされるたびに、箱の中からものすごい悲鳴が――毎日のように見物人たちを震え上がらせていたあの悲鳴が――聞こえてきた。「キャーッ! 助けて、助けて、助けて! アレー、こん畜生、こん畜生、こいつは本当に私を殺す気だわ! アレー、助けて、...
江戸川 乱歩

初級翻訳・踊る一寸法師 第2話

彼は体を丸め、まるで百日咳のように激しくせき込んだ。口から、鼻から、耳から、黄色い液体がほとばしった。彼のこの苦しみを囃すように、またしても三曲万歳の合唱が始まった。聞くに堪えない悪口雑言が繰り返された。ひとしきりせき込んだ後は、ぐったりと...
江戸川 乱歩

初級翻訳・踊る一寸法師 第1話

「おい、緑さん、何をぼんやりしているんだい。ここへ来て、お前も一杯ご相伴(しょうばん)しなよ」 肉襦袢(にくじゅばん)の上に、紫のサテン地に金糸のふち取りをしたサルマタ(曲芸用のパンツ)を穿いた男が、鏡をぶち抜いた酒樽の前に仁王立ちになり、...
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初級翻訳・灰色の巨人 第28話

ボスはうまく逃げ出せたと思っていても、明智はすでにボスを捕らえたと考えているかもしれませんぜ。」 部下の長野が、変なことを言い出しました。「なんだって? おい長野、きさま、どうしたんだ?おかしなことを言うじゃないか。それはどういう意味だ。も...
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初級翻訳・灰色の巨人 第27話

しばらくすると、森のむこうから「ブーン」というかすかな音が聞こえてきました。そして、そこから大きなトンボみたいなものが、空中に浮かびあがってきたのです。それは一だいのヘリコプターでした。すきとおった大きな丸い操縦席が、とほうもなくでっかい目...
江戸川 乱歩

初級翻訳・灰色の巨人 第26話

外からカギがかかっているから、おれたちがいなくなったら、子どもは本当におなかをすかせて死んでしまうんだよ!」「その秘密の部屋は、いったいどこにあるんだ!」「二階のてんじょうの上だ!そこは、おれでなければひらけない。ひらきかたに秘密があるんだ...
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初級翻訳・灰色の巨人 第25話

コンクリートの大仏ならば、いかにも灰色の巨人にちがいありません。人間のあだなだとばかり思って、大男などをさがしていたのですが、じつは賊のすみかの名まえだったのです。そのとき、明智がむこうの方を指さして、みょうなことをいいました。「中村君、見...
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