芥川 竜之介

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動物園

初級翻訳・動物園 第1話

象 象よ。キプリングという作家は昔、お前の先祖がワニに鼻をくわえられたから、今でもお前まで長い鼻をぶら下げて歩いているのだと言った。けれど、おれにはどうしても、あいつの言うことが信じられない。お前の先祖は、お釈迦様が生きていた頃、きっとガン...
不思議な島

初級翻訳・不思議な島 第3話

そうやって温かい色をした野菜のことを、プロレタリア(労働者)の野菜と呼んでいるのです」 僕「でも、積み上げてあった野菜はキュウリやマクワウリばかりでしたけど……」 老人「それはきっと色盲なんですよ。自分では赤い色のつもりでいるのでしょうね」...
不思議な島

初級翻訳・不思議な島 第2話

昔からの売れ残りを全部集めたとしたら、太平洋の海だって野菜で埋まってしまうくらいでしょう。しかし、サッサンラップ島の住民たちは、今でもせっせと野菜を作り続けているのです。昼も夜も休みなく作っているのですよ。はははははは、我々がこうして話して...
不思議な島

初級翻訳・不思議な島 第1話

僕は、籐(とう)で作られた長椅子にぼんやりと横になっている。目の前に手すりがあるところを見ると、どうやらここは船の甲板(かんぱん)らしい。手すりの向こう側では、灰色の波のなかをトビウオのような生き物がピカッと光りながら跳ねている。けれど、自...
トロツコ

初級翻訳・トロツコ 第2話

しかし良平は、さっきのようなワクワクした気持ちにはなれなくなっていました。「もう早く帰ってくれたらいいのに……」――彼は心の中でそう祈ってみました。けれど、行けるところまで行き着かなければ、トロツコもあの人たちも帰れないということは、もちろ...
トロツコ

初級翻訳・トロツコ 第1話

小田原と熱海の間で、小さな鉄道を作る工事が始まったのは、良平が八歳の時のことでした。良平は毎日村の外れへ、その工事を見物に行きました。工事といっても、ただトロツコで土を運んでいるだけなのですが――それが面白くて見に行っていたのです。トロツコ...
トロッコ

初級翻訳・トロッコ 第2話

が、行く所まで行きつかなければ、トロッコも彼等も帰れない事は、勿論彼にもわかり切っていた。その次に車の止まったのは、切崩した山を背負っている、藁屋根の茶店の前だった。二人の土工はその店へはいると、乳呑児をおぶった上さんを相手に、悠悠と茶など...
トロッコ

初級翻訳・トロッコ 第1話

小田原と熱海の間で、小さな鉄道を作る工事が始まったのは、良平が八才の年のことでした。良平は毎日村の外れへ、その工事を見物に行きました。工事といっても、ただトロッコで土をはこんでいるだけで、それがおもしろくて見に行っていたのです。トロッコの上...
三つの宝

初級翻訳・三つの宝 第3話

(剣を抜く)王女 (立ち上がるが早いか、王子をかばう)鉄でも切れる剣ならば、わたしの胸も突けるでしょう。さあ、一突きに突いてごらんなさい。王 (尻込みをしながら)いや、あなたは斬れません。王女 (嘲るように)まあ、この胸も突けないのですか?...
三つの宝

初級翻訳・三つの宝 第2話

まあ、飛んでみせてくださいよ」王子「では飛ぶぞ。いち、にの、さん!」王子は勢いよく飛び上がる。しかし、戸口へも届かないうちに、どたんと尻もちをついてしまった。一同はどっと笑い声をあげる。宿屋の主人「こんなことだろうと思ったよ」第一の農夫「千...
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