初級翻訳・かいじん二十めんそう 第3話

かいじん二十めんそう

大きさは二メートルもある、ゴリラとライオンを混ぜ合わせたような大きなお化けです。二人が思わず立ち止まって見ていると、その首がカタカタと動いているのに気がつきました。
「おや、変だな。もしかしたら、この中に……」
そう思ったときです。
「わっははは」という笑い声がして、竹やぶの中からピカピカと金色に光るものが現れました。黄金仮面です。
「貴様たち、俺が少年探偵団のバッジを道にばらまいておいたのに騙されてやってきたな。待っていたぞ。さあ、いいものを見せてやる。こっちへ来るんだ」
二十面相の黄金仮面はそう言ったかと思うと、井上くんに飛びかかって抱え上げてしまいました。そして、ポケット小僧を捕まえようとしましたが、小僧はすばやく竹やぶの中へ逃げました。二十面相は手下を呼んで井上くんを渡すと、ポケット小僧を追いかけました。
竹やぶを探しましたが、なかなか見つかりません。ポケット小僧はリスのようにすばしっこいのです。二十面相はまごまごと歩き回っていました。ひょっと見ると……向こうに小さなやつが立っているのに気がつきました。そばへ行ってみると、それは子どものロボットでした。
「いらっしゃい。こちらへおいでください」
ロボットはそれしか言えないのです。二十面相は「チェッ」と舌打ちして行ってしまいました。すると、ロボットがニヤッと笑ったのです。それはポケット小僧が化けていたのでした。
二十面相が行ってしまったので、ポケット小僧は怪物の首のところへ急ぎました。後ろへ回ってみるとドアがあり、開けてみると、手足を縛られた小林くんが中に倒れています。ポケット小僧は小林くんの縄を解いて、二人で竹やぶの奥へ逃げました。
するとそこには広い廊下のようなところがあって、窓がついていました。ポケット小僧は窓を開けて、合図の笛を吹こうとしました。外にいる団員に知らせるためです。小林くんは急いでそれを止めました。
「僕たちだけでは危ない。僕が外へ出て、中村警部に電話をかけてくる。それまで君は隠れていたまえ」
そう言って、小林くんは外へ飛び出していきました。さあ、二十面相は捕まるでしょうか。

6

小林くんは警察の助けを頼むために、お化け屋敷を抜け出していきました。あとに残ったポケット小僧は、ロボットに化けたまままた竹やぶの中へ戻り、二十面相を探しました。
「あっ、いる、いる」
黄金仮面に化けた二十面相が、お化け屋敷の奥へ歩いていくのが見えます。ポケット小僧はそっとあとをつけました。しばらくすると、道は行き止まりになりました。そこは、コンクリートの壁に囲まれていました。
二十面相は、その行き止まりの道に入ったかと思うと、パッと消えてしまったのです。
忍術でも使ったのでしょうか。
いや、そんなはずはありません。
ポケット小僧はそこへ入っていくと、中の壁を調べました。
壁をあっちこっちなでまわしていると、コンクリートの上にポツンと出っ張ったところがあり、それがグラグラと動くではありませんか。
試しにグッと押してみました。
すると、目の前の床がサッと開いて、四角い穴が出てきたのです。
地下室への入り口です。二十面相はここから降りていったので、消えたように見えたのでした。
ポケット小僧は穴の中へ降りようとしましたが、ふと気づいて、少年探偵団のBDバッジを道にバラまきました。
そして、穴のふたを開けたまま、地下室へ降りていきました。
階段を降りると、ドアがあります。
そっと開けて、中をのぞきました。
「あっ」
お化けです。
ウジャウジャとお化けが並んでいるのです。
一つ目小僧、三つ目小僧、一本足の大入道、そのほかたくさんの幽霊やお化けでいっぱいです。
驚きましたが、よく見るとみんな人形でした。
お化けの間から部屋の奥を見ると、大きな木箱の前に二十面相が立っていました。
木箱を開けて、中から細長く巻いた絵を取り出して見ているのです。
「あっ、わかった。あれは石村さんの家から盗み出した、大事な絵だ」
絵はみんな巻いて、あの箱の中にしまってあるのに違いありません。
ポケット小僧は、それを見つけたうれしさに油断して部屋の中へ入ろうとしたので、お化けがガタンと倒れました。
大急ぎで逃げ出しましたが、二十面相は気づいて追いかけてきました。
そして、階段の途中でつかまってしまいました。
ポケット小僧はその手を振り払って地下室へ逃げ込み、お化けの人形を片っ端から倒して、おかしな鬼ごっこを始めました。
でも、とてもかないません。
二十面相のために、とうとう押さえつけられてしまいました。
「貴様、ポケット小僧だな。こうしてやる」
二十面相の鉄のような指が、首にグイグイと食い込んできます。
息が詰まって、今にも死にそうです。
その時でした。BDバッジの効き目が現れたのです。
小林くんと五人の団員、そして五人の警察官が飛び込んできたのです。
さすがの二十面相も、こんなに大勢に取り囲まれては、もうどうすることもできません。
とうとう手錠をはめられてしまいました。
それから、お化け屋敷にいた手下もみんな捕まってしまい、石村さんの大事な絵も無事に戻りました。
「ポケットくん、今度も君のお手柄だったね」
小林くんが、ポケット小僧を褒めました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました