初級翻訳・ふしぎな池 第5話

ふしぎな池

太十の話を聞いて、白髪のご隠居は言いました。
「そして、その大亀が口をきくというのは、本当かね。」
「本当ですとも。わたくしが、はっきりとその声を聞きました。」
「なるほど、それも面白い話だ。お前の良心が口をきいたか、大亀が口をきいたか、まあ、どちらでもよかろう。」

それはとにかく、大事な大亀がもどってきたのです。
太十はご隠居に言いつけられて、村の子どもたちを呼び集めて来ました。
子どもたちは飛び上がって喜びました。
うれしさのあまり、太十をとがめる気持ちも起きませんでした。
ざるから大亀を出してやりました。
そしてそれをかついで、政雄や、一郎や、太郎や、英吉や、花子や、そのほかみんなで、八幡様の池に来ました。
大亀は池にはなされると、ちょっと水にもぐって、また水面に浮いて、それからゆっくり泳いで、いかだの所までいき、いかだの上にのぼって、きょとんとしています。
「八幡池の大亀、ばんざあい!」
みんなで思わず声を合わせて、そう叫びました。
太十もこの時いっしょにばんざいを叫んで、それから、
「ひまのあるかぎり、子どもたちの手伝いをして、野原を畑にする仕事に加わりたい。」
と言い出しました。
ご隠居もそれに賛成しました。
太十は子どもたちの仲間に加わりました。
子どもたちのこの仕事は、だんだん発展していくでしょう。
学校で勉強をしながら、また、いろいろなことをしでかしていくのも、楽しいではありませんか。

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